死亡リスクが高い“手術を避けるべき曜日”とは！？科学者が指摘する「週末効果」

• 
• Xでポスト
• 

　手術を受ける際、曜日は関係ないと思うかもしれない。しかし、最新の研究によると特定の曜日に手術を受けるとリスクが高まる可能性があるという。

　研究によれば、金曜日に手術を受けた患者は死亡リスクが他の曜日と比べて明らかに高いという。手術の種類を問わず、例えば股関節の置換手術のような比較的安全なものから、より複雑な手術まで、金曜日の手術患者は死亡率が約10％高くなるというデータが示されている。

（参考論文：Postoperative Outcomes Following Preweekend Surgery（JAMA Network Open）：https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2830842）

「週末効果」とは？ 医療体制の問題点

　この現象は「週末効果」と呼ばれ、主な原因として土日には経験豊富な医療スタッフが不足することが挙げられる。特に手術後のケアが重要なタイミングで熟練した医師や看護師が少なくなるため、合併症のリスクが高まる可能性があるのだ。

　さらに、週末は検査や画像診断などの医療サービスが制限されることも影響している。これにより術後の異常が見逃されるリスクが上がると考えられている。

　この研究を主導した米テキサス州ヒューストン・メソジスト病院のラージ・サトクナシバム博士は「週末直前に手術を受けた患者は、合併症の発生率や再入院率、死亡率が大幅に上昇する傾向にある」と指摘している。また、病院側はこの問題を認識し、曜日にかかわらず最高の医療を提供できる体制を整えるべきだとも述べている。

研究結果と今後の課題

　研究チームは、2007年から2019年にかけてカナダ・オンタリオ州で行われた約43万人の手術データを分析した。その結果、金曜日に手術を受けた患者は、術後30日以内の死亡率が9％、90日以内が10％、1年以内では12％高くなる傾向が見られた。

　また、研究者たちは週末の医療チームが平日の担当医ほど患者の状態を詳しく把握していない可能性も指摘している。週末は交代制で勤務する医療スタッフが多く、引き継ぎの精度が低下しやすいためだ。

　ただし、この研究結果はあくまで統計上の傾向であり、すべての病院に当てはまるわけではない。研究者たちは「この現象の背景にある要因をより詳細に分析し、曜日に関係なく質の高い医療を提供する方法を探る必要がある」として、さらなる研究が必要であることを強調している。

　手術を予定している人にとっては、曜日も一つの考慮要素となるかもしれない。可能であれば、より手厚い医療体制が整っている曜日を選ぶことでリスクを減らすことができるだろう。

参考：UNILAD、ほか

TOCANA編集部

TOCANA/トカナ｜UFO、UMA、心霊、予言など好奇心を刺激するオカルトニュースメディア
Twitter: @DailyTocana
Instagram: tocanagram
Facebook: tocana.web
YouTube: TOCANAチャンネル

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。

関連記事

• 

  VRで臨死体験、AIで故人と会話、テクノロジーが変える「死」との向き合い方

• 

  致死率ほぼ100％の絶望的レア疾患「クールー病」とは？

• 

  死者が土葬された「溶けゆく墓」の怪異！ ボロボロの着物を着た老婆が現れ…＝鹿児島

• 

  もう一つの死海文書「シャピラスクロール」の謎！ 発見者が自殺に追い込まれ… 何が書かれていたのか！？