「史上最も恐ろしい写真」の背後にある悲劇的な真実

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画像は「YouTube」より

 離陸したジャンボジェット機から落下中の少年の写真は「史上最も恐ろしい写真」と呼ばれ、その背後にある悲劇的な真実はSNSユーザーを戦慄させている――。

■飛び立った旅客機から落ちた少年

 オーストラリアのシドニー空港で1970年2月22日、世にも衝撃的な写真がアマチュアカメラマンによって偶然に撮影された――。

 撮影したジョン・ギルピンは現像した写真の1枚を見て凍りついた。飛び立ったばかりの旅客機から落下中の少年の姿が写り込んでいたのだ。

 亡くなった少年はニューサウスウェールズ州ランドウィック出身の14歳の少年、キース・サプスフォードであることがすぐに判明した。

 サプスフォードの足取りを追うとこの日、彼は通っていたシドニーの全寮制カトリック学校を逃げ出し、シドニー空港に向かった。ちなみに少年はこれまでにも何度も学校を抜け出している“前科”があった。

 空港に着いた彼はなんと滑走路に忍び込むことに成功し、東京行きの日本航空のジェット機の車輪格納部に乗り込み、離陸まで数時間、その中で待機していた。

 実はこの少し前、サプスフォードは家族とともに初めての海外旅行から戻ったばかりだった。旅は非常に楽しいものだったようで、彼は「すぐにでもまた行きたい」と家族に話していた。

 ショートパンツと半袖のTシャツだけを着ていたサプスフォードは、飛行機が離陸すると車輪格納部のラッチが開いて車輪が収納されることに気づかなかったとみられる。

 そして旅客機が離陸してこの悲劇が起こったのだ。写真から推測すると上空60メートルほどからの落下であった。

 彼の父チャールズ・サプスフォードによれば、息子は常に「動き続けたいという衝動」を持った放浪者のようなキャラクターだったという。落ち着きのない息子をカトリックの学校に入れたのは実はこの父親であった。

「息子が望んでいたのは世界を見ることだけでした」と父親は「AP通信」に語る。

「息子が望んでいたのは世界を見ることだけだった。彼は足がむずむずしていた。世界の他の国々でどのような暮らしが営まれているのかを見たいという彼の決意は、彼の命を犠牲にしました」(父親)

 父親はこの恐怖の出来事が起こる数か月前に、息子と飛行機の着陸装置の下に隠れることの危険性について話していたと語った。皮肉にも同じように旅客機から落ちて亡くなったスペイン人の少年について息子に語っていたのである。

 父親は車輪の格納によって圧死しなかったとしても、酸素不足で死んだり、高高度の氷点下の気温で凍死したりする可能性があると息子に説明したという。

 捜査官らは後に、車輪格納庫で少年の指紋や手形と衣服の糸を発見し、彼が最後の瞬間を過ごした場所が公式に確認された。

 このぞっとするような物語とそれに伴う写真はSNSのユーザーを驚愕させ、彼らはXでその考えを共有した。

「少年の冒険の悲しい結末。だからこそ私はあなたの子供たちと友達になることに賛成です。彼ら、彼らの選択、彼らの意志を理解するよう努めてください。結局のところ、彼らの人生なのですから」

「防ぐことができた悲劇だ」

「写真家は史上最も珍しい“自発的な”写真を撮影した」

「好奇心が猫を殺したというのは正しいですね。でも尊い命が失われたことは残念です」

 少年はどんな手を使ってでも旅客機に忍び込んで再び外国を訪れたくてそれを実行したのだろうか。とすればこの悲劇は哀しいことに、この時期の彼にとってほぼ必然に近いものだったのかもしれない。

参考:「Misterios do Mundo」ほか

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文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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