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「死ぬのが怖くなくなった」数百人の死を看取った看護師が語る、死後の世界

2025.07.19 07:00 編集部

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「死ぬのが怖くなくなった」数百人の死を看取った看護師が語る、死後の世界の画像1 — 画像は「YouTube」より

　これまで何百人もの患者の手を握り、その最期を看取ってきた一人のホスピスナースがいる。ジュリー・マクファーデン、42歳。オンラインでは「ホスピスナース・ジュリー」として知られ、死に関する知識や経験をSNSで発信し、多くのフォロワーを持つ人物だ。

　数えきれないほどの死に立ち会ってきた彼女だが、ある患者との忘れられない体験をきっかけに、「死に対する見方が完全に変わった」と語る。それは、彼女から死への恐怖をすっかり消し去ってしまうほどの、感動的な出来事だった。

孤独だった患者、ランディとの出会い

　ジュリーがホスピスケアの仕事を始めて間もない頃、ランディという50代の男性患者と出会った。彼には家族も友人もおらず、精神的な問題に加え、物を溜め込んでしまう「ホーダー」でもあった。彼の家は、安全に暮らせる状態ではなかったという。

「彼は多くの助けを必要としていました」とジュリーは振り返る。彼女のチームは、まず彼の家を丸ごと片付けることから始めた。すると、次に会った時、ランディはまるで別人のように変わっていた。

「彼は幸せそうで、より自由で、心を開いてくれました。結局、彼はそこから9ヶ月も生きたんです」。彼の病状を考えれば、これは驚くべきことだった。この期間、ランディはホスピスチームと強い絆を築き、特にジュリーとは「一番のお気に入り」と言えるほど親密な関係になった。彼はジュリーに、死ぬことへの恐怖や、自由な人生を送れなかった後悔を打ち明けていたという。

「もしこれが素晴らしいと知っていたら…」頭に響いた最期の声

　ランディの病状が悪化し、いよいよ最期の時が近づいた日。ジュリーは彼の呼吸や様子から、その日が旅立ちの日だと察した。心の中で彼に別れを告げ、次の患者のもとへ向かうため彼の家を出た。

「不思議と、あまり悲しいとは感じませんでした」と彼女は言う。「彼に出会えたことに、ただただ感謝していました。『次に何が起ころうと、最高の旅になりますように』と祈っていました」。

　車の中で、彼女はしばらく彼の家の前に留まり、心の中で彼に話しかけ続けた。その瞬間、信じられないことが起きた。

「突然、頭の中にランディの声が聞こえたんです。私の名前を呼んでいました」。それは単なる声ではなかった。彼の感覚、感情、そして彼が空を舞っているかのような光景まで、五感すべてで感じ取れたという。

「『ジュリー、もしこれがどれだけ素晴らしいことか知っていたら、決して恐れなかっただろう』と彼は言っていました。彼が生涯求めていたのは『自由』でした。そして死の瞬間に、彼がようやくそれを手に入れたことが、私にもはっきりと分かったのです」

　圧倒的な平和と喜び、そして幸福感に包まれ、ジュリーは車の中で涙が止まらなかったという。

「死ぬのが怖くなくなった」数百人の死を看取った看護師が語る、死後の世界の画像2 — イメージ画像　Created with AI image generation (OpenAI)

死とは「故郷に帰る」こと

「この話をするたびに、今でも泣きたくなるんです。あまりにも美しかったから」

　この体験は、ジュリーの死生観を根底から変えた。「死ぬのが怖くなくなりました」と彼女は断言する。「私たちは死ぬ時、かつて知っていた場所、つまり私たちがやって来た場所へ帰るのだと思います。それは、安らぎに満ちた感覚のはずです」。

「その場所の気配は、瀕死の人や赤ちゃんと一緒にいる時、あるいは誰かと心から繋がれた時に垣間見えることがあります。その感覚は、私にとって『故郷』のように感じられるのです。もちろん、今この人生を愛していますが、この場所を去ることを恐れる必要はありません。なぜなら、ここよりもっと『故郷』と感じられる場所へ行くと信じているからです」

　数多くの死を見つめてきた看護師がたどり着いた、一つの答え。それは、死が恐ろしい終わりではなく、温かい始まりである可能性を示唆しているのかもしれない。