人類史を覆す“失われた図書館”か ― 月面着陸の英雄アームストロングも探した、謎の古代洞窟「クエバ・デ・ロス・タヨス」

人類史を覆す“失われた図書館”か ― 月面着陸の英雄アームストロングも探した、謎の古代洞窟「クエバ・デ・ロス・タヨス」の画像1
画像は「The Ancient Code」より

 南米エクアドルのジャングルの奥深くに、人類の歴史を根底から覆すかもしれない、巨大な謎が眠っているという。その名は「クエバ・デ・ロス・タヨス(タヨスの洞窟)」。レーザーで切断されたかのような壁、25万年の歴史を刻むという「金属の図書館」の伝説、そして、あの月面着陸の英雄ニール・アームストロングまでもが参加したという大探検。この洞窟に隠された秘密は、我々が知る古代文明の物語を、全く新しいものに書き換える可能性を秘めているのだろうか。

これは自然の洞窟ではない? 人工的に造られた巨大地下空間

「タヨスの洞窟」が世界に衝撃を与えた理由の一つは、その構造の異様さだ。洞窟内部の壁や天井は、まるで巨大な機械で切断・研磨されたかのような、滑らかで巨大な石のブロックで構成されている。壁と天井は完璧な直角をなし、自然の侵食作用だけでこのような空間が形成されるとは到底考えにくい。

 建築家であり歴史家のメルビン・ホヨス氏は、「タヨスの洞窟は洞窟ではない。人の手による作品だ」と断言する。彼は、この構造が氷河期以前に存在した、高度に発達した超古代文明の痕跡である可能性を示唆している。

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全長約200mの回廊。直線的な壁面や岩の幾何学模様が見られる By MezzoforteFOwn work, CC BY-SA 3.0, Link

25万年の歴史を刻む「金属の図書館」伝説

 この洞窟をさらにミステリアスなものにしているのが、「金属の図書館」の伝説だ。1960年代、ハンガリー系アルゼンチン人研究者のフアン・モーリッツは、洞窟の奥深くに、未知の文字が刻まれた金属板でできた膨大な量の書物を発見したと主張した。彼によれば、この金属板には25万年前に遡る地球の「真の歴史」が記録されているというのだ。

 この伝説を裏付けるかのように、イタリア人神父のカルロス・クレスピは、1940年代から、地元の先住民シュアール族から「洞窟で見つけた」とされる、奇妙な金属板や工芸品を多数譲り受けていた。彼のコレクションには、古代エジプトやシュメールを彷彿とさせる、南米の歴史には存在しないはずのモチーフが描かれた金属板が含まれていた。

 しかし、残念ながら、これらの貴重な遺物のほとんどは、クレスピ神父の死後、博物館の火災や盗難によって失われ、今では数枚の写真と映像が残るのみとなっている。

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画像は「The Ancient Code」より
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画像は「The Ancient Code」より
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画像は「The Ancient Code」より

なぜアームストロングは月ではなく“洞窟”を目指したのか

 この謎に満ちた洞窟の名を世界に轟かせたのが、『神々の戦車』などで知られる作家エーリッヒ・フォン・デニケンだ。彼は著書『未来の記憶』の中で、モーリッツの案内でこの洞窟を探検し、その人工的な構造に衝撃を受けたと記した。彼の本は世界的なベストセラーとなり、タヨスの洞窟はオーパーツや古代宇宙飛行士説の聖地として、一躍注目を浴びることとなった。

 この熱狂は、ついに国家をも動かす。1976年、イギリスは史上最大級の洞窟探検隊を組織。科学者、軍人、そして映画クルーに混じって、その探検隊には信じがたい人物が参加していた。人類で初めて月面に降り立った男、宇宙飛行士ニール・アームストロングである。月面着陸からわずか数年後、なぜ彼は月の石ではなく、地球の奥深くの洞窟を目指したのか。その理由は、今なお謎に包まれている。

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ニール・アームストロング 画像は「The Ancient Code」より

探検隊が見たもの、そして残された謎

 大規模な調査にもかかわらず、イギリスの探検隊は、デニケンが主張するような異星人の宇宙船や、「金属の図書館」を発見することはできなかった。

 しかし、探検は無駄ではなかった。洞窟の物理的な特徴はデニケンの記述と一致する点が多く、考古学的にも興味深い遺物が発見された。そして、探検が終わった後、モーリッツの情報源であったシュアール族の長老は、こう語ったという。

「彼らが調査したのは、間違った洞窟だ。本当の洞窟の場所は、秘密なのだ」と。

「タヨスの洞窟」の真の姿は、今もなお厚いベールに覆われている。そこには本当に人類の失われた歴史が眠っているのだろうか。それとも、すべては壮大な作り話なのか。月に立った英雄までもが探し求めたこの洞窟の謎。それは、我々が教えられてきた歴史が、壮大な物語のほんの序章に過ぎないことを告げているのかもしれない。

参考:The Ancient Code、ほか

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