9.11を予言していた? デヴィッド・ボウイが同時多発テロ事件の前に書いた歌詞との“不気味な一致”とは

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By Adam BielawskiOwn work, CC BY-SA 3.0, Link

 デヴィッド・ボウイはあの“9.11”を予見していたのか――。事件の1年前に作成されたアルバムの中の楽曲の歌詞に“9.11”を彷彿させる言及が記されていたのだ。

■デヴィッド・ボウイは9.11を“予言”していた!?

 故デヴィッド・ボウイの25枚目のアルバム『Heathen(ヒーザン)』は2002年にリリースされたが、製作は2001年のあの“9.11”以前に行われていた。そしてこのアルバムの楽曲には「アメリカ同時多発テロ事件」を彷彿とさせる世界観の歌詞があったのだ。

「ジワジワと込み上げてくる怒り」を意味する『Slow Burn』という楽曲の歌詞はテロ以前に書かれていたのだが、事件を描写する「頭上を覆う恐怖の真下で、足下に広がる恐怖の只中」という文言や、「ここ、この恐ろしい街でわたしたちは生きてゆく」というフレーズなど、ニューヨークに生きる市民の視点からの“9.11”を連想させるものでもある。

 デヴィッド・ボウイの長年のコラボレーターである音楽プロデューサーのトニー・ヴィスコンティ氏は『Heathen』は“9.11”以前に曲をレコーディングしていたため、歌詞の内容が実に「予言的」だったと主張している。

 ヴィスコンティ氏によると、2人は2001年9月にスタジオで一緒にテレビで悲劇の展開を見ていたという。

「デヴィッドの部屋にはテレビが1台しかなかった。一緒に何かを見たのは、運命の日、彼から電話がかかってきて、『ニューヨークで恐ろしいことが起きたから部屋に来い』と言われた時だけだった」(ヴィスコンティ氏)

 ヴィスコンティ氏は英紙「Daily Star」のインタビューでその時のことを振り返る。

「私は彼の部屋に行きました。彼はそこでニュースを見ていました。ちょうどその時、2機目の飛行機がツインタワーに衝突したんです。私たちは二人とも恐怖に震えました」(ヴィスコンティ氏)

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UpstateNYerほか / CC BY-SA 3.0 出典

 すぐに家族に電話を試みたヴィスコンティ氏だったが、まだ携帯電話が普及する前のことでもあり固定電話は繋がらず、通信網の復旧には丸一日かかったという。

「このアルバムは“9.11”にインスピレーションを受けたものだとよく思われるが、実はそれ以前に作曲され、主にレコーディングされていました。不気味な感じがしました。歌詞(の内容は)は物が落ちること、混乱、混沌についてでした」(ヴィスコンティ氏)

 ボウイは事件の1年前に“9.11”を“予言”していたのだろうか。

「面と向かって言ったわけではないが、それは予言的なことだった。彼(ボウイ)はそれを見抜いていた。間違いなく見抜いていた。未来を見抜いていたのです」(ヴィスコンティ氏)

 ヴィスコンティ氏はこの時、ボウイが遠隔透視能力を備えていることを確信したという。

「とても才能があって、興味深く、ミステリアスな人だとはよく知っていたのに、彼が千里眼(遠隔透視能力)の持ち主だとは知らなかったので、不思議な気持ちでした。私にとっては初めての経験でした」(ヴィスコンティ氏)

 9月11日のアルカイダによるアメリカ本土への攻撃では2977人が死亡し、史上最悪のテロ攻撃となった。

 ボウイはその15年後の2016年、故郷ニューヨークで69歳で亡くなった。

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デヴィッド・ボウイ 『Lodger』 プレス資料 — RCA Records / パブリック・ドメイン 出典

 ヴィスコンティ氏は英誌「Uncut」に対し、ボウイの最後のアルバム『ブラックスター(Blackstar)』のころには「彼は明らかに死に取り憑かれていた」と語った。

「彼は、愛する人々に囲まれていたにもかかわらず、孤独であったことについて書いたのです。デヴィッド・ボウイだから彼を愛した人もいたが、その根底にはデヴィッド・ジョーンズ(ボウイの本名)がいたのです」(ヴィスコンティ氏)

 ヴィスコンティ氏はデヴィッド・ボウイが実は名実共にデヴィッド・ジョーンズであると感じていたという。

「オックスフォード・ストリートの出版社のオフィスで彼に会った瞬間から、彼はデヴィッド・ボウイだったが、本当はデヴィッド・ジョーンズだとずっとわかっていました」(ヴィスコンティ氏)

 はたしてデヴィッド・ボウイ、否、デヴィッド・ジョーンズは遠隔透視能力の持ち主であり、テロを“予言”したのか。この件に関する知られざる逸話が新たに発掘されることがあるのか気に留めておきたい。

参考:「Daily Star」ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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