墓石は消え、真相は闇に… ロズウェル事件の50年前に起きた「オーロラUFO墜落事件」の謎

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　1947年のロズウェル事件は、UFO史における最も有名な出来事として知られている。しかし、それより半世紀も前の1897年、アメリカ・テキサス州の小さな町オーロラで、謎の飛行物体が墜落し、地球外生命体らしき遺体が回収されたという驚くべき事件があったことは、あまり知られていない。

　この「オーロラ事件」は、ロズウェルに先立つ「元祖UFO墜落事件」とも言える。静かな田舎町で起きたこの出来事は、単なる作り話なのか、それとも歴史から葬られた真実なのか。当時の記録と現代の調査から、その真相に迫る。

1897年、町を揺るがした謎の爆発

　事件が起きたのは1897年4月9日。テキサス州ダラスの郊外に位置する静かな町、オーロラでのことだった。当時、テキサスでは葉巻型の奇妙な飛行物体の目撃情報が相次いでいたが、この日の出来事は町の歴史を一変させる。

　地元の新聞『ダラス・モーニングニュース』に掲載された記事によれば、高速で空から降下してきた未確認飛行物体が、町の中心部にあるプロクター判事の所有地で大爆発を起こしたという。この記事は、T.J.ウィームズという地元の住民からの情報を基に、F.E.ヘイデンという記者が執筆したものだ。

　ウィームズの証言によれば、爆発は町を真昼のように照らし、広範囲にわたって無数の破片をまき散らした。そして、墜落した船体の中から回収されたパイロットの遺体は、明らかに「この世のものではなかった」とされている。

墓地に眠る「地球外生命体」の伝説

　回収された遺体は、非常に小さく細身だったという。町の住民たちはこのパイロットを丁重に扱い、地元の墓地に埋葬した。そして、後世にこの出来事を伝えるため、葉巻型の飛行物体をかたどった特別な墓石を置いたと伝えられている。

　もちろん、現代のオーロラの住民の多くは、この話を一種のジョークだと考えている。墜落したのは単なる隕石で、ウィームズとヘイデンが注目を集めるために物語を創作したのだろう、と。しかし、同時に彼らは、この伝説が何らかの事実に根差している可能性も否定しない。

　この話を裏付けるかのように、当時子供だったチャールズ・スティーブンスという男性は、後年になって「父がプロクター判事の土地に何かが落ちるのを見た。そして、2、3人の遺体が見つかったと話していた」と証言している。ただし、遺体が1体だったという町の伝説とは食い違いを見せている。

消えた墓石と現代に残された謎

　事件は時とともに忘れ去られ、伝説だけが残った。しかし、近年になってUFO研究団体MUFON（相互UFOネットワーク）がこのオーロラ事件の再調査に乗り出したことで、事態は新たな局面を迎える。

　調査チームは金属探知機で墓地の調査を行い、奇妙な金属反応を検知。さらに、伝説の通り、飛行円盤のようなものが刻まれた墓石を発見したのだ。MUFONは遺体の存在を確認するため、墓地協会に発掘の許可を申請したが、この要求は拒否されてしまう。

　そして、ここからが最も不可解な点だ。MUFONの調査後、その特徴的な墓石は忽然と墓地から姿を消したのである。誰が、何の目的で持ち去ったのかは一切不明だ。

　MUFONは最終的に、「証拠は決定的ではないが、デマの可能性は否定できない」という報告書をまとめた。結局、オーロラの地に宇宙人が眠っているのかどうかは、今もって謎のままである。

「テキサスのロズウェル」とも呼ばれるこの事件は、消えた墓石と共に、アメリカのUFO史における最も奇妙なミステリーの一つとして語り継がれている。

参考：The Ancient Code、ほか

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