歴史上最も有名な殺人鬼「切り裂きジャック」の正体は“性的倒錯の理髪師”だった? 血塗られたショールのDNAが暴く戦慄の真相

By R. Taylor (R. & E. Taylor (Firm)) – “Illustrated London News” [1], Public Domain, Link

 19世紀末のロンドンを恐怖に陥れた連続殺人犯“切り裂きジャック”の正体は――。気鋭の犯罪学者が真犯人と6人目の犠牲者を特定している。

■“切り裂きジャック”の正体が判明

 ロンドンのイーストエンドで1888年8月31日から11月9日の間に起きた女性を狙った5件の殺人事件は、数十年にわたる捜査にもかかわらず未解決のままとなっており、その残忍な殺害方法から犯人は“切り裂きジャック”と呼ばれるようになった。

“切り裂きジャック”と目された容疑者は数名いるのだが、犯罪学者のデイビッド・ウィルソン氏は真犯人はポーランド人の理髪師、アーロン・コスミンスキーだと断言する。

 ウィルソン氏は犯罪現場から犯人の居住地を絞り込む地理プロファイリングと、情報検索システムを用いて犯人を特定したと主張している。

 今月出版された新著『A History of Modern Britain in Twenty Murders(20の殺人事件で見る近代イギリスの歴史)』の中でウィルソン氏は新たな証拠を明らかにし、殺人事件が現場から近いことから、彼は犯人は地元住民だと結論づけている。コスミンスキーは兄妹と共に、連続殺人事件の中心地であるシオン広場に住んでいたのである。

 コスミンスキーは当時から警察の疑いを招いており、女性、特に売春婦に対する「激しい憎悪」と「強い殺人傾向」を抱いていると報じられていた。多くの研究家がコスミンスキーの医学的素養の欠如を理由に容疑者として排除していたが、ウィルソン氏は“切り裂きジャック”の殺害方法には特に外科手術の専門知識は必要ではないのだと説明する。

コスミンスキーの顔の再現 画像は「Daily Star」より

 ウィルソン氏はまた、犯行がいつも金曜日の早朝か週末に起きており、犯人は平日に仕事に就いていたに違いないことから、その点でも理髪師であるコスミンスキーは条件を満たしている。

 医療記録によるとコスミンスキーは1891年に精神疾患と摂食障害を理由に、わずか26歳で精神病院に収容された。コズミンスキーはナイフを振り回すなどの暴力行為のため、何度か救貧院に入所した後、コルニーハッチ精神病院に移送され、その後1894年にリーブスデン精神病院に移送された。

 ウィルソン氏は殺害方法の残忍さから見て、犯人はおそらく精神的に不安定な状態にあったと想定しており、この点でもコスミンスキーは相応しいといえる。

 今年初め、“切り裂きジャック”の犠牲者の一人と考えられているキャサリン・エドウッズの殺害現場で発見された血まみれのショールのDNA鑑定が行われた。ちなみにこのショールはDNA鑑定を行うためにオークションで購入された。

 被害女性の子孫とコスミンスキーの子孫が比較のためにDNAを提供し、ショールのDNAが犠牲者とコスミンスキーと「100%一致」したと報じられている。しかし、一部の専門家は懐疑的な見解を示し、鑑定方法を疑問視しているようだ。

1894年にロンドン警視庁副警視総監サー・メルヴィル・マクナトンが記した覚書。切り裂きジャック事件の容疑者3人のうちの1人として「コスミンスキー」の名前が挙がっている。 By Melville Macnaghten – Metropolitan Police Service, Public Domain, Link

 さらにウィルソン氏はコスミンスキーの6人目の犠牲者も特定したと主張している。ウィルソン氏が内務省大規模調査システム(HOLMES)を用いて分析した結果、死因のパターンから5件ではなく6件の殺人事件が明らかになったというのだ。

 彼は1888年8月7日の午前5時にアパートの外で39カ所の刺し傷を負った状態で発見されたマーサ・タブラムが、切り裂きジャックの最初の犠牲者だったと主張している。

 二児の母で、経済的困窮から売春に手を染めたとみられるマーサは、最初の犠牲者とされてきたメアリー・アン・ニコルズの3週間前に残忍な方法で殺害されたというのである。

 6人目の犠牲者の件はいったん置いておくとしても、歴史家のラッセル・エドワーズ氏も“切り裂きジャック”はアーロン・コスミンスキーであると話している。したがって“コスミンスキー説”は今回さらに信ぴょう性を高めたようだ。

参考:「Daily Star」ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
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