【奇跡か警告か】複製画のイエス・キリストの絵画から“聖なる油”が溢れ出す ― 人々を癒すと噂の「涙する聖画」

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画像は「X」より

 ハワイ・ホノルルの小さなロシア正教会の片隅に、一枚の安物の絵画が飾られている。それは、かつてカナダでわずか20ドル(約3000円)で買われた、イエスと聖母マリアを描いたありふれた複製画だ。しかし、この何の変哲もないはずの絵画が、十数年にわたり、世界中の信者たちを熱狂させ、そして科学者たちを悩ませる、奇跡の中心となっている。絵の中の幼子イエスの膝から、聖書に登場する聖なる油「ミルラ(没薬)」が、絶えず溢れ出しているというのだ。

発端は2007年―猫も後ずさるほどの“バラの香り”

 この不可解な現象が始まったのは、2007年のことだった。この教会のネクタリオス・ヤンソン神父は、ある時から教会内に満ちる、信じられないほど強いミルラの香りに気づいた。

「説明がつかなかった。私たちは恐ろしくなったのです」

 彼は教会のスタッフに、誰かが聖画に香油を塗ったのではないかと尋ねたが、誰も心当たりはない。そして、恐る恐る問題の絵画を調べた彼は、驚くべき光景を目の当たりにする。絵の中の幼子イエスの左膝に、芳しい香りを放つ油の玉が、まるで涙のように浮かび上がっていたのだ。

 その粘り気のある透明な液体は、聖書においてキリストの誕生と死の両方の場面で捧げられた、神聖な樹脂「ミルラ」であると、神父たちは特定した。液体は絵画から染み出し、額の下に溜まり、敷かれた布を濡らすほどだった。その香りは強烈なバラの香りに例えられ、神父の飼い猫でさえ、何事かと後ろ足で立ち上がって匂いを嗅ぎにきたという。

癌さえも治す?“奇跡の聖画”と世界巡礼

 この「涙する聖画」の噂は瞬く間に広がり、人々は奇跡をひと目見ようと、ホノルルの小さな教会に殺到した。そして、この聖なる油に触れた人々から驚くべき証言が相次ぐようになる。

「失明が治った」「麻痺が回復した」「慢性の痛みが消えた」、そして中には「癌が治癒した」と主張する者まで現れたのだ。

 この現象を受け、ロシア正教会は翌年の2008年、この絵画を「ハワイのイヴェロンの聖母」として、公式に“奇跡の聖画”と認定。ネクタリオス神父は、この聖画を携え、世界中の教会を巡る巡礼の旅に出ることを許可された。以来、彼はアメリカやヨーロッパなど100箇所以上を訪れ、何百万人もの人々がこの聖画に祈りを捧げてきたという。

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神からの“奇跡”か、それとも“警告”か

 興味深いことに、この聖画からミルラが溢れ出す量は、日によって全く異なるという。「完全に乾いている日もあれば、ミルラで覆われている日もある。しかし、流れ出ているかどうかにかかわらず、常に強烈なバラの香りを放っているのです」と、ネクタリオス神父は語る。

 彼は、この現象を「偉大なる奇跡」としながらも、同時にこう付け加えることを忘れない。

「時々、思うのです。これは何らかの“警告”なのではないか、と」。

 単なる湿気による化学変化か、それとも人知を超えた奇跡なのか。あるいは、現代社会への神からのメッセージなのか。ハワイの小さな教会で十数年前に始まったこの不可解な現象は、科学と信仰の狭間で、今もなお、聖なる香りを放ち続けている。

参考:UNILAD、ほか

TOCANA編集部

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