映画『死霊館』の“呪われた家”、人気YouTuberが「借金のカタ」に差し押さえる権利を購入 ― 前代未聞の“呪いの家”争奪戦が勃発

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　映画『死霊館』のモデルとなった、アメリカで最も有名な呪いの家。その所有権を巡る奇妙なドラマが、新たな展開を迎えた。人気YouTuberのエルトン・キャスティー氏が率いる不動産会社が、なんとこの家を担保にした銀行の権利、すなわち「抵当権（住宅ローン債権）」を丸ごと買い取ったことが明らかになったのだ。

　これは、現オーナーがローンを返済できなければ、家を合法的に差し押さえることができる権利を手に入れたことを意味する。呪われた家を巡り、YouTuber、現オーナー、そして人気テレビ番組のホストが三つ巴で繰り広げる、前代未聞の“家”争奪戦。その行方は、混沌としている。

ハロウィンの競売中止―水面下で動いていた“謎の買い手”

　すべての始まりは、10月初旬に遡る。ロードアイランド州に実在するこの「死霊館の家」は、住宅ローンの支払いが滞ったため、ハロウィンに競売にかけられる予定だった。しかし、その競売は突如として中止された。家のローンを保有していた銀行が、それを「匿名の買い手」に売却したのだ。

　超常現象ファンの間では、「一体誰が？」と様々な憶測が飛び交っていたが、最近になって、その謎の買い手の正体が、人気YouTuberのエルトン・キャスティー氏であったことが判明した。

YouTuber vs 現オーナー vs ゴーストハンター ―三つ巴の争奪戦

　キャスティー氏は、今年8月にも、映画に登場する超常現象研究家ウォーレン夫妻のコネチカット州の家を、コメディアンのマット・ライフ氏と共同で購入したばかり。彼は、アメリカ中の“呪われた物件”を買い集めようとしているのだろうか。

　しかし、事態はそう単純ではない。今回キャスティー氏が手に入れたのは、家の所有権そのものではなく、あくまで「抵当権」。現オーナーがローンを返済できなければ家を取り上げる権利だが、逆に言えば、現オーナーのジャクリーン・ヌニェス氏がローンを完済すれば、彼の権利は消滅する。

　キャスティー氏が家を完全に手に入れるには、ヌニェス氏が自発的に家の権利証書を引き渡すか、あるいは彼女がローン返済を諦めるのを待つしかない。現在のところ、彼女が権利を手放す意思は見せていないという。

　もしヌニェス氏が権利譲渡を拒み、キャスティー氏側が差し押さえに動けば、家は再び競売にかけられることになる。そして、その瞬間を虎視眈々と狙っているのが、もう一人のプレイヤーだ。

　人気テレビ番組『ゴーストハンターズ』のホスト、ジェイソン・ホーズ氏。彼は、この歴史的な家を購入するため、クラウドファンディングで30万ドル（約4500万円）もの資金を集めており、「我々はまだ望む場所にいる。前進するための道筋はある」と、テレビ局の取材に対して語っている。

呪いの家の運命は？

　YouTuberのキャスティー氏が、現オーナーとの交渉をまとめ上げ、家を手に入れるのか。それとも、交渉は決裂し、再び競売にかけられた家を、『ゴーストハンターズ』のホーズ氏が落札するのか。

　呪われた家を巡る、三者の奇妙な駆け引き。その結末は、まだ誰にも分からない。ただ一つ確かなのは、この家が、生身の人間たちの欲望と野心をも引き寄せる、強烈な“何か”を持っているということだ。

参考：Coast to Coast AM、ほか

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