「私の頭を返せ…」殺人鬼の“呪いの頭蓋骨”を盗んだ医師を襲った、血も凍るポルターガイスト現象

殺人犯が処刑されても、決して終わらない事件がある。1827年、イギリスで起きた「赤納屋殺人事件」。その残虐性で当時を震撼させたこの事件は、19世紀で最も不気味な怪談の一つを生み出した。それは、処刑された殺人鬼の“頭蓋骨”を盗んだ医師と、その頭蓋骨を取り戻すために現れたという、怒れる亡霊の物語だ。
これは、科学的な好奇心が、決して踏み込んではならない領域に触れてしまった、恐るべき記録である。
すべての始まり―「赤納屋殺人事件」
1827年、イギリスの静かな村ポルステッドで、若い女性マリア・マーテンが忽然と姿を消した。彼女は失踪直前、恋人であったウィリアム・コーダーと、「赤納屋」と呼ばれる納屋で会う約束をしていた。
数ヶ月後、マリアの母親が「娘が死んでいる」という不吉な夢にうなされ、警察に通報。納屋の床下を掘り返すと、そこには袋に詰められたマリアの遺体が無残な姿で発見された。

逃亡していたコーダーは逮捕され、有罪判決を受けた。メディアを巻き込んだこの裁判は、彼をイギリス犯罪史に残る極悪人へと押し上げた。1828年、彼は大観衆の前で絞首刑に処され、その遺体は、当時の慣習に従い、公開解剖のために解剖学者の元へと送られた。
科学的好奇心が招いた“呪い”
当時、死刑囚の遺体は、医学教育のための貴重な“教材”だった。コーダーの遺体もまた解剖され、その骨格はサフォーク州の病院で見世物として展示された。さらに、彼の裁判記録をまとめた本は、彼自身の皮膚で装丁されたという、にわかには信じがたい記録も残っている。
しかし、本当の恐怖は、彼の「頭蓋骨」を巡って始まった。
伝説によれば、地元の医師であったキルナー博士が、ある日、このコーダーの頭蓋骨を病院から盗み出したという。当時流行していた「骨相学」(頭蓋骨の形状から犯罪者の性質を読み解こうとする学問)に魅了されていた彼は、殺人鬼の頭蓋骨を研究するため、それを黒檀の箱に入れ、自室に飾ったのだ。
その直後から、博士の家では不可解な現象が頻発する。
鈍いノックの音
廊下を歩き回る足音
押し殺したようなうめき声
闇から突き出す、青白い手
ある夜には、青いロングコートを着た男のシルエットが、博士の書斎の近くに佇んでいるのが目撃されたという。

呪いは連鎖する―頭蓋骨がもたらす不幸
恐怖に駆られたキルナー博士は、友人のロバート・ホプキンスに頭蓋骨を譲り渡した。しかし、呪いはまるで頭蓋骨に憑依しているかのように、新たな持ち主にも牙を剥いた。ホプキンスは職を失い、原因不明の重病に倒れ、夜な夜な箱の中から響く囁き声に悩まされた。
パニックに陥った彼は、ついに頭蓋骨を墓地に埋め、その霊を鎮めようと試みたという。
殺人鬼の霊か、それとも人間の“罪悪感”か
もちろん、キルナー博士が本当に頭蓋骨を盗んだという公式な記録はない。ポルターガイスト現象もまた、1世紀以上にわたってサフォーク地方で語り継がれてきた、単なる噂話に過ぎないのかもしれない。
しかし、この物語は、当時の人々が抱いていた「犯罪者の肉体」への強い関心と、科学と冒涜の間の危うい境界線を浮き彫りにする。殺人鬼の骨に触れることは、象徴的に、「悪」そのものに触れる行為だったのだ。
コーダーの亡霊は、本当に存在したのだろうか。それとも、それは神聖なるべき遺体を冒涜した者たちの、罪悪感が生み出した幻影だったのだろうか。
科学の名の下に、人間の好奇心が死者の眠りを妨げた時、そこに現れるのは、真実の探求か、それとも計り知れない呪いか。その答えは、今も黒檀の箱の闇の中に眠っているのかもしれない。
参考:Mysterium Incognita、ほか
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