「ゾンビ・幽霊・UFOが自宅に出た」で逮捕 —— だがこの町、政府が電波を遮断した「沈黙の禁止区域」だった

「ゾンビと幽霊とUFOが自宅に現れた」——そう119番通報した男が逮捕された。笑い話のようで、実はこの事件の舞台となった土地が「アメリカでもっとも静かな町」と呼ばれる政府指定の電波禁止区域だと分かると、笑えなくなってくる。
911に「ゾンビ・幽霊・UFO」を通報した男
2026年5月17日、米ウェストバージニア州ランドルフ郡の保安官事務所は、クリントン・ウェイン・ネラン(33歳)を逮捕した。容疑は緊急電話(911)の乱用と、「ルイジアナ州の警察官」と名乗って近隣住民を嫌がらせしたとされる警察官詐称——いずれも軽犯罪だ。
通報の内容が傑作だった。「自宅にゾンビ、幽霊、そしてUFOが出た」と複数回にわたって911に訴えたというのだ。駆けつけた警察官がゾンビも幽霊もUFOも確認できないと判断し、ネラン氏はそのまま連行された。SNSに投稿された逮捕情報には「彼はメンタルヘルスに問題を抱えていた」というコメントが寄せられているという。
この町は「政府の電波禁止区域」だった
ネラン氏の自宅がある場所は、ウェストバージニア州とバージニア州にまたがる「国家電波静寂区域(NRQZ)」の内側だ。面積は約3万3600平方キロメートル——四国の約1.8倍に相当するこの広大なエリアでは、携帯電話とWi-Fiが事実上禁止されている。
設定されたのは1958年。米政府がグリーンバンク天文台に設置した大型電波望遠鏡群を、外部からの電波干渉(RFI)から守るためだ。現在もこのエリアでは、軍や情報機関が外国の通信を傍受する極秘任務を行っているとされており、民間の電波機器は厳しく規制されている。スマホが圏外なのではなく、そもそも使用を禁じられているのだ。
エリアの中心に位置するウェストバージニア州グリーンバンクは「アメリカでもっとも静かな町」と称されている。電子機器のノイズが一切なく、人工的な電磁波がほぼ存在しない、現代社会では異様な空白地帯だ。

「電波のない土地」で相次ぐ超常体験の報告
静寂の代償か、あるいはその静寂ゆえか——NRQZでは長年にわたり、UFOの目撃情報、「時間を失った」という体験談、「説明できない感覚」を訴える事例が絶えない。ネランのケースが初めてではないというわけだ。
ひとつの仮説として浮上しているのが、電磁波過敏症(EHS)との関連だ。電磁波過敏症とは、携帯電話の電波やWi-Fiなどの電磁場に人より強く反応し、頭痛・疲労・不安感などを覚えるとされる状態で、グリーンバンク天文台も公式に認識している症状だという。「電波がないからこそ症状が楽になる」と考える患者たちがNRQZに引き寄せられる一方、「電磁波に毒されていない環境」での認知への影響については、まだ科学的な結論が出ていない。
つまり、電波が遮断された「静寂の禁止区域」が人の知覚に何らかの影響を与えている可能性は、完全には否定されていないのだ。
逮捕された男は被害者か、ただの悪ふざけか
ゾンビ通報で逮捕されたネランを笑うのは簡単だ。しかし彼の自宅が、政府が1958年から管理し軍の極秘任務が走る「電波の空白地帯」の真っ只中にあると知れば、話の見え方は少し変わってくる。
人体が普段から受け取っている無数の電磁波が突如消えたとき、脳や神経系が何かを補おうとして誤作動を起こす——という説が正しいかどうかは分からない。だが少なくとも、「アメリカでもっとも静かな町」では、静かであるがゆえの「何か」が起きているのかもしれない。
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2024.10.02 20:00心霊「ゾンビ・幽霊・UFOが自宅に出た」で逮捕 —— だがこの町、政府が電波を遮断した「沈黙の禁止区域」だったのページです。Wi-Fi、電磁波、電波などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで
