本屋に行ったら50年前のデパートになっていた… 英ストリートで多発する「過去への迷い込み」体験

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　英リバプールのボールド・ストリートに足を踏み入れると、不思議なタイムスリップ体験ができるのかもしれない!?　1996年に報告されたタイムスリップ体験が再び注目を集めている。

■タイムスリップが体験できるストリート

　英リバプールの中心部に位置するボールド・ストリート（Bold Street）には、さまざまな超常現象が語り継がれている。その中でも特異なのはタイムスリップ体験の証言が多いことだ。

　最も有名なのは、当時は身元を隠すため「フランク」という仮名を名乗っていた男性の証言である。

　1996年7月、フランクは妻と共にショッピングで市内中心部を訪れた。現地到着後に夫妻は別行動にわかれ、妻は書店の「ディロンズ」（後に「ウォーターストーンズ」に改名）へ、フランクはセントラル駅近くのレコード店「アワー・プライス」へとCDを物色しに行った。フランクはCD購入後に妻がいる「ディロンズ」に来る手筈になっていた。

　買い物を終えたフランクが「ディロンズ」に向かうと、なぜか書店が「クリップス」というデパートに変貌していたのだ。そして通りを歩く人々は妙に古風な服装をしており、まるで1950年代に逆戻りしたかのようであった。

　通りを走る年代物のクラシックカーを見たフランクは大いに驚いた。状況を理解しようとしたフランクは、自分と同じく1990年代風の格好をして周囲から浮いていたエマという名の20歳の小柄な女性に出会った。彼女はライムグリーンのトップスに黒のスキニーパンツを合わせ、「ミス・セルフリッジ」のバッグを持っていた。彼女とフランクは「クリップス」のショーウィンドウから中を覗き込み、クラシカルなハンドバッグや婦人靴を眺めて呆然と立ち尽くしていた。

　しかし次の瞬間、突然に1996年の元の場所に戻り、「クリップス」は「ディロンズ」に戻った。フランクはエマに時間の流れを感じたかと尋ねると、彼女は困惑したようにうなずいたのだった。二人は「ディロンズ」の前でしばらく動けないまま、束の間のタイムスリップを振り返ったのだった。

　フランクはボールド・ストリートでタイムスリップを体験した最初の人物ではなかっただろうし、最後の者でもなさそうである。SNSに投稿されたAIが生成したボールド・ストリートのタイムスリップを描いた画像には、この現象に関する話や自身の奇妙な体験を語るなど、リバプールの人々からの多くのコメントが寄せられている。

　アイリーン・モートンという女性は次のように書き込んでいる。

「1971年にボールド・ストリートでタイムスリップを体験しました。信じられないかもしれませんが、本当にタイムスリップしたんです。あの時の人たちも私を見たんです」

　タイムスリップ現象の答えは、ひょっとするとこの通りの独特な構造にあるのかもしれない。「BBC」によるとボールド・ストリートの地下には壁と水路でできた広大な地下迷路があるという。

　2001年、驚くべきことにこれらの地下構造から井戸が発見されている。リバプール歴史博物館はこれを「リバプール市中心部における最大の発見の一つ」と評し、考古学者たちは3週間をかけて発掘調査を行い、粘土製のパイプや磁器の破片などを発掘した。現在、私有地の敷地内にある施設「Ye Olde Wishing Well」でこの井戸を見学することができるという。

　近く再びボールド・ストリートでのタイムスリップ体験が報告されるのだろうか。イギリスを訪れた際にはこの通りを歩いてみれば貴重な体験が得られるのかもしれない。

参考：「Mirror」ほか

文＝仲田しんじ

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