【実話】行方不明者サイトに「自分の写真」があった… 自分が30年前の失踪事件の被害者だと知った男とネットが繋いだ奇跡の再会

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　ネットが普及し充実した社会ならではの驚くべき発見があった――。それはなんと行方不明者であった自分の正体だ。

■自分は行方不明の迷子だった！

　米フィラデルフィア在住のスティーブ・カーター氏は、4歳の時にハワイのホノルルにある孤児院から養子として引き取られた。そのことは決して秘密ではなかったが、彼は養子となる以前の生活についてはほとんど記憶がなかった。

　最近になってカーター氏は、生後3週間のカーリナ・ホワイトさんがニューヨーク市の病院で看護師を装った女性に誘拐されたという奇妙な事件を知った。

　その20年後の23歳の時、ホワイトさんは「国立行方不明・被搾取児童センター」のウェブサイトで自分の幼少時の写真を見つけたことで、実の両親との再会を果たしたのである。

　このホワイトさんの話をきっかけに、カーター氏も同じような行動に出てみることにしたのだ。2011年初頭のある晩、ちょっとした予感に導かれるように、彼は行方不明児童の情報が掲載されている「missingkids.org」のウェブサイトを調べてみることにしたのである。

　未解決事件の画像を見ていた時、ある写真に目が止まった。

「最初に思ったのは、『なんてことだ、これは私だ』でした」と彼は振り返る。30年以上前にハワイで幼児期に行方不明になったと報告されていた男の子の画像が、少年時代の自分に驚くほど似ていることに彼は愕然とした。

　行方不明の少年はマークス・パナマ・バーンズという名前であった。サイトには成人の姿を予想した加工写真もあり、カーター氏はその写真と自分の姿を見比べた。

　さらに彼はその写真を養母に見せた。「彼女は『まあ、あなたよ』と言い、私は『僕もそう思う』と答えました」とカーター氏は説明する。

　彼はホノルル警察に連絡した後、郵送でのDNA鑑定が行われ、数カ月にわたって結果が出るのを待った。

　そしてDNA鑑定の結果、カーター氏は行方不明の少年、マルクス・パナマ・バーンズであることが判明したのだ。

「その時、自分にもう一つの家族ができたのだと、ようやく実感し始めたんです」と彼は、長年の歳月を経て自分の生物学的なルーツが明らかになった衝撃に動揺しながらも語る。

　養子になった経緯の詳細も衝撃的であった。1977年、実母は彼を孤児院に預けた後、跡形もなく姿を消したのだった。父親のマークさんは2人の捜索願を警察に届け出たが、その後の捜査はまったく進展しないままであったのだ。

　こうしてカーター氏は実父のマークさんと連絡を取った。息子の声を初めて聞いた時、マークさんは驚きの声をあげるばかりであった。

　マークさんはパートナーと子供を一度に失った悲しみを語り、「1年半ほど気が狂いそうになりながら、島（ハワイ）中を車で走り回っていました」と話している。

　カーター氏は実母に対して悪意は感じていないと話す。

「（この先）もし自分が正気でいられず、他のことに追われていたら、まず自分のケアを優先するかもしれません。私は実母を何一つ責めません」（カーター氏）

　自身の正体を知ったカーターさんは、今まで知らなかった親戚を探し出し順番に接触したのだった。自分が失踪した当時8歳だったジェニファー・モンハイマーという異母姉の存在も知ることになる。

　自分のルーツを知ったことでカーター氏の人生観はそれまでとは大きく変わったことは間違いないのだろう。まさに人生は謎解きパズルなのかもしれない。

参考：「Mirror」ほか

文＝仲田しんじ

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