1億ドル超の財宝が眠る「海賊船」をついに発見! 考古学者が16年の執念で暴いたマダガスカル沖の沈没船

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 1721年、インド洋。黄金、ダイヤモンド、エメラルドを満載したポルトガルの船が、悪名高き海賊たちの急襲を受けた。嵐に翻弄され、海賊の餌食となったこの船は、莫大な財宝と共に海の藻屑と消えた――。

 まるで映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』の世界だが、これは実話だ。そして今、16年もの歳月を費やして海底を捜索し続けてきた2人の考古学者が、ついにその伝説の沈没船を発見したと主張している。

 眠っていた財宝の価値は、現在の価格でなんと1億3800万ドル(約210億円)以上。そのロマンあふれる発見の裏側とは。

「黄金の時代」の海賊が奪った教会の秘宝

 発見されたとされるのは「ノッサ・セニョーラ・ド・カボ(Nossa Senhora do Cabo)」号。直訳すれば「喜望峰の聖母」という美しい名を持つこの船は、インドのゴアを出港し、リスボンへ向かう途中だった。

 積荷は豪華絢爛そのもの。金塊、銀貨、絹、そして110個のダイヤモンドと250個のエメラルドを含む400個以上の宝石。さらには、リスボンの大聖堂に納めるための宗教的な彫像や飾り板も積まれていたという。

 しかし、レユニオン島付近で待ち構えていたのは、オリビエ・ルバスール、通称「ザ・バザード(ハゲタカ)」率いる海賊艦隊だった。

 嵐で弱っていたカボ号はあっけなく制圧され、船も財宝も、そして乗っていた総督や大司教、200人の奴隷たちも海賊の手に落ちた。

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画像は「Shipwreck Center」より

16年の執念が実ったマダガスカル沖

 アメリカの海洋考古学者ブランドン・クリフォード氏とマーク・アゴスティーニ氏は、歴史的沈没船保存センターの研究員として、この伝説の船を追い続けてきた。

 彼らが目をつけたのは、当時の海賊の拠点だったマダガスカル北東部のノージー・ボラハ(旧サント・マリー島)。ここは波が穏やかで植民地政府の支配が及ばない、まさに無法者たちの楽園だった場所だ。

 10年以上に及ぶソナー探査とリモートセンシングの結果、ついに海底に眠る船影を捉えた。

 引き上げられた3300点以上の遺物の中には、ゴアで作られたと思われる聖母マリアや「ナザレのイエス、ユダヤ人の王」と刻まれた宗教的な飾り板が含まれていた。これらはカボ号の積荷リストと完全に一致する。

 さらに、アラビア文字が刻まれた金貨や陶器の破片も砂の下から発見された。

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画像は「Shipwreck Center」より
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画像は「Shipwreck Center」より

「ハゲタカ」が残した謎と、まだ眠る10隻の船

 ただし、1億ドル相当の財宝がすべて海底に残っているわけではない。海賊たちは当然、めぼしいお宝を略奪し、総督や一部の貴重品はリスボンへ身代金として売り飛ばされた。

 しかし、歴史の記録から消えてしまった200人の奴隷や大司教の運命、そして海賊たちが持ち去りきれなかった「残りのお宝」がどうなったのかは、依然として謎に包まれている。

 クリフォード氏によれば、この島の周辺にはカボ号以外にも少なくとも10隻の沈没船が眠っており、そのうち4隻はカボ号と同じ港にあるという。

「この場所は歴史的に見過ごされてきた」とアゴスティーニ氏は語る。つまり、手つかずのタイムカプセルがまだまだ海底に転がっている可能性があるのだ。

 徳川埋蔵金やキャプテン・キッドの財宝など、トレジャーハントの話はいつの時代も好奇心を刺激するが、今回の発見はその中でも「大当たり」と言えるだろう。

 次に海へ行くときは、足元の砂の中にキラリと光るものが埋まっていないか、少しだけ注意深く見てみるのもいいかもしれない。

参考:Shipwreck CenterPopular Mechanics、ほか

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