300年前の「凶悪カルト教団」が隠した金貨の山が出土していた! 偽預言者が築いた犯罪帝国の血塗られた財宝

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 聖母マリアと暮らしていると主張し、類まれなヒーリング能力を自負する偽預言者は詐欺や窃盗、略奪によって巨万の富を築き上げていた――。彼がポーランドの山中に隠匿していた財宝が2024年5月に発見されている。

■発見された“山岳カルト教団”の財宝

 ポーランドのシフィエントクシシュ山脈で中世のアンティークコインが詰まった宝箱が発掘されたことで、300年前の奇妙な事件が再び注目を集めることになった。

 埋められていた財宝は、18世紀の悪名高き隠遁者であり偽預言者であったアントーニ・ヤツェヴィチのもので、彼は疫病を利用してカルト的な犯罪帝国を築き上げた人物だった。

 シフェントクシスキェの山脈地域で活動する、歴史愛好家と探検家からなるポーランドの団体「シフェントクシスキェ探検隊(Swietokrzyska Grupa Eksploracyjna)」は約7年間山岳地帯の探査を続け、2024年についに中世の希少価値の高いアンティークコイン群を発見した。最初は一箇所の発掘から始まったが、その後すぐに17世紀と18世紀の相当な数のコインが群をなして埋まっているのが発見された。

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画像は「Live Science」より

 発掘されたのはいずれも資産価値の高いコインであったが、最も興味深いのは、聖母子像が描かれた1648年製の「ハンブルク・ダカット金貨」だ。硬貨に開けられた穴から、専門家はかつてメダルとして身につけられていたと考えている。

 キェルツェの文化財保護局が発表した声明によると、ヤツェヴィチは隠遁者であり、冒険家であり、偽預言者であり、犯罪者であった。

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ヤツェヴィチの隠遁所があった場所に建てられた礼拝堂 Autorstwa Leszek ŻmijewskiPraca własna, CC BY-SA 3.0 pl, Link

 1700年2月から1721年9月まで続いた大北方戦争 (Great Northern War)の勃発時に疫病が流行した際、ヤツェヴィチは聖母マリアから直接授かった治癒力を持つ人物だと自称し、山中で聖母マリアと暮らしていると偽った。ヤツェヴィチはいわば“霊感商法”で多額の寄付金を集めて巨万の富を築き、膨れ上がった私財を略奪しようとする盗賊を警戒するために警備員を雇わざるを得なくなった。

 警備員に金銀財宝を守らせるだけでは飽き足らず、ヤツェヴィチは彼らに巡礼者の追い剥ぎをさせたり、周辺の建物にある金目の物を略奪させたりした。警備員たちはヤツェヴィチの私兵と化し、“山岳カルト教団”とさえ呼ばれるようになった。

 ヤツェヴィチは最終的に当局に逮捕されたが、最初の判決直後は逃亡に成功した。しかしその後再び身柄を発見されて逮捕され、1712年に終身刑を宣告された。これは彼がシフェントクシスキェ山脈に潜伏して犯罪行為を始めてからわずか4年後のことであった。

 ヤツェヴィチが投獄され、“山岳カルト教団”が解散された後も、彼の略奪品は発見されなかった。

 この波乱に満ちた歴史的ストーリーに心を動かされ、キェルツェの文化財保護局の許可を得たシフェントクシスキェ探検隊は、ワルシャワから約180㎞離れた山岳地帯の捜索を行いこの発見に繋がった。当局は発見された硬貨はヤツェヴィチに直接関係するものであり、ヤツェヴィチが不正に収奪した金品と周辺の貴族から盗んだ品々が混在したものだと考えている。

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 発見されたコインはポーランド科学高等教育省に引き渡され、現在は分析が行われる間、保存する目的でオストロヴィエツ・シフェントクシスキェシスキ歴史考古学博物館に寄贈されている。

 米「Miami Herald」紙によると、この地域にはほかにも宝物が埋まっている可能性があるという。当局は地元メディアに対し、近隣にさらに多くの財宝が埋められている可能性があると語っており、ヤツェヴィチのコレクション、そして彼の伝説は今後さらに注目を集めていくかもしれない。特にトレジャーハンターにとってこの“山岳カルト教団”の埋蔵金は今も夢とロマンに満ち溢れていそうだ。

参考:「Popular Mechanics」ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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