ショッピングモールに「秘密のアパート」を4年間! 立ち退きを迫られたアーティストが商業施設の地下に自作した”隠れ家生活”の全貌

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Image by Michal Jarmoluk from Pixabay

 立ち退きを通告されたアーティストが、ショッピングモールの地下に秘密のアパートを自作し、4年間にわたって誰にも気づかれることなく生活していた――。これは映画のあらすじではなく、アメリカで実際に起きた話だ。

ラジオCMが火をつけた”逆転の発想”

 主人公はマイケル・タウンゼントというアーティスト。開発業者から立ち退きを求められ、新たな住居が急いで必要になった彼は、ある日ラジオから流れてきたCMに耳を止めた。

 それはアメリカ・ロードアイランド州にある「プロビデンス・プレイス・モール」の広告で、女性の声が明るくこう語りかけていたという。「ここには、生き生きとした生活に必要なものがすべて揃っています。もしここに住めたら最高じゃないですか?」

 ……なるほど。住んでみよう。

 CMを聞いたマイケルは、かつてジョギング中にそのモールの地下部分で「空き部屋のような空間」を目にしたことを思い出した。1999年のことだ。周囲の設計の都合上、意図せず生まれてしまったような小部屋。誰も使っていない、まるで存在を忘れられたような空間だった。

750平方フィートの”隠れ家”、誕生

 再び訪れてみると、その空間はまだそのまま残っていた。マイケルは「開発業者を開発してやろう」と決意し、2003年についにその場所を秘密のアパートへと改造した。

 広さはおよそ70平方メートル。ソファが置かれ、プレイステーションまで持ち込まれた。ただし水道はなく、用を足すにはモール内の公共トイレを利用するしかなかったが、それはご愛嬌といったところだろうか。

 さらに、仲間のアーティストたちとともにコンクリートブロックで壁を作り、業務用ドアを設置して入口を完全にカモフラージュ。外から見ればただの壁だ。「隠し部屋」さながらのしかけである。

 マイケルは自身のウェブサイトにこう記している。「当初は1週間だけ住んでみようと思っていた。でもいつしか、ただシンプルに”住む”という計画に変わっていった。」

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画像は「Daily Star」より
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画像は「Daily Star」より

4年間の潜伏生活、そして発覚

 こうして始まったショッピングモール生活は、驚くことに4年間にわたって続いた。セキュリティの目をかいくぐり、夜間を中心に出入りし、グループは「この件は誰にも話さない」という誓いのもと静かに暮らしていた。

 しかしある日、アパートに戻ると業務用ドアがこじ開けられ、プレイステーションや作品、写真アルバムが消えていた。警備員に発見されたのだ。

 それ以降、グループはより慎重に夜間のみの使用へと切り替えたが、警備員はすでにこの場所を監視下に置いていた。そしてついに、マイケルが昼間に姿を現した瞬間を捉えられ、不法侵入の容疑で訴追された。

 裁判所での判決は執行猶予付き有罪。そして、プロビデンス・プレイス・モールへの「終身入場禁止」が言い渡された。自分で作ったアパートがあるのに、一生入れない。なんとも皮肉な結末だ。

 NBCニュースの報道によれば、公式に「モール居住者」として名乗りを上げたのはマイケルと元妻のアドリアナ・ヤングのみで、ほかのアーティストたちは関与を明かさなかった。

 数年後、マイケルはシドニー・モーニング・ヘラルドのインタビューでこう語っている。「仲間たちはお互いにしっかり結びついていた。誰も報酬なんてもらっていなかったけど、みんなが互いを信じ、やっていることに真剣だった。あの鍵は、私たちの一人ひとりにとって特別な意味を持っている。」

 そして一言、こう付け加えた。「本当に、もう一度あそこに戻りたい。」

 不法行為であることは間違いない。でもこの話、どこかうらやましくもあるのは、気のせいだろうか。

参考:Daily Star、ほか

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