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 イギリスで1660年に創立された世界で最も歴史のある科学学会、王立協会(Royal Society)は人口問題や環境問題など、グローバルな視点から人類が直面している問題について各界のエキスパートを交えて議論される場として有名だが、5月11~12日に行われた会合のテーマは“インターネット危機”だったという。なんと「あと8年でインターネットは崩壊へ向かう」というのだ。


■光ファイバー網の限界に到達

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光ファイバー 画像は「Wikipedia」より

 今回の会合のオーガナイザーのひとりでもある、英・アストン大学のアンドリュー・エリス教授は当日の会議に先駆けて、現在、先進各国が直面している“インターネット危機”を問題提起した。現在のペースでインターネット使用が拡大の一途をたどれば、ごく近い将来に通信インフラが崩壊へ向かうというのだ。

 これは一体どういうことなのか。エリス教授の提言のポイントは2点ある。

1. 世界中に張り巡らされている光ファイバーが運ぶことができるデータ通信量がすぐにも限界値に達しそうだという点

 この10年の技術革新でインターネットの通信速度は50倍にもなったが、現状の光ファイバーではこれ以上の通信量増幅技術の開発は見込めないという。最先端技術が民生用となるまでに通常6~8年かかると言われているが、現在この分野では技術革新が止まっているため、通信量の増大に追いついていけるのもこの先あと8年程度だというのだ。

 この解決策として最も確実なのは当然のことながら、新たに光ケーブルを増設することだが、これには今まで以上に莫大なコストがかかるという。なぜかといえば、そこに、二つ目のポイントが絡んでくる。

2. 2035年にはイギリスの電力すべてがインターネットで消費される? 「電力消費量」の問題点

 現在、イギリスでは既に国内に供給している電力の16%をインターネットで消費しているということで、これは原発3基分に相当する。そしてインターネット通信による電力消費の占める割合は、これまで4年間ごとに倍増しているということだ。電力供給量が変わらないと仮定して試算したところ、2035年の時点でイギリスの電力のすべてがインターネットで消費されることになるという。したがって新たにケーブルを敷設して運用するほどの電力の余裕は一切ないのだ。

 このような通信技術開発の頭打ちと電力消費の問題で、8年後には早くもインターネットの崩壊が始まるとエリス教授は王立協会の会合を前に警告を発したのである。

 2000年前後のインターネット通信環境を知っている人々なら、深夜早朝の時間帯(23~翌8時)に限り料金が一定となる、電話サービス「テレホーダイ」などを活用してネットを接続していた時代があったことをご存知かと思うが、ADSLが普及し始めたころから“常時接続”が徐々に当然になってきた感もある。今後、エリス教授が警告する深刻な事態となった場合、インターネットを規制するために通信費の大幅な値上げや、厳格な通信量規制もありうるということだ。まさに“テレホーダイ時代”への逆行である(ちなみにNTT「テレホーダイ」は現在も継続中)。

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