映画『素敵なダイナマイトスキャンダル』公開記念

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 自伝的映画『素敵なダイナマイトスキャンダル』こそが、末井昭の新たな伝説となるだろう。その公開が迫っている。(3月17日から全国公開!)

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画像は、映画『素敵なダイナマイトスキャンダル』より

「母親は爆発して僕を村から吹き飛ばしてくれたのかもしれません」

 そんなセリフが映画のモノローグになっている。確かに、母親のダイナマイト心中は当時、新聞に載るほどの大ニュースになった。それも相手が不倫相手の若い男だったとなれば、田舎の村ではいたたまれないだろう。末井青年はそこから飛び出し、のちに上京してデザインを学び、キャバレーの看板描きを経て、出版社で働くようになる。

 その後は、雑誌編集者としてメキメキと頭角を現し、大活躍していく。写真家・荒木経惟とタッグを組んだ『写真時代』、その廃刊にもめげずに『パチンコ必勝ガイド』で平成のパチンコブームを牽引し、それらの大ヒットで、名物編集長として名を馳せる。

 その一方で、末井は浮気や愛人の自殺未遂、ギャンブルや先物取引で多額の借金を抱えるなど、終わりなき修羅場にハマり込む。それゆえ、末井の優しさ、弱者に対する暖かい眼差しを生んだともいえる。

 この映画で、母親役を演じる尾野真千子と映画原作者の末井が主題歌「山の音」をデュエットしているというのも、また掟破りである。

「音楽監督を務めた菊地成孔のアイディアで、絶対にそれやりしょうと飛びつきました」

 そう冨永監督は語る。映画では、菊地成孔は音楽のみならず、天才写真家・荒木経惟を演じ、映画初出演を果たしている。「芸術だから」といって、女の子たちを裸にしていく様子を自然体で演じている。当時のエロ本業界がうまく描かれているのところも素晴らしい。

 そんな日本のエロ本業界を支えてきた白夜書房に勤務した経験を持ち、末井の直系の後輩といえる、“世界のカウンターカルチャーを追う男”ケロッピー前田が、末井昭のインタビューに挑んだ。

<前編はこちら>

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――お母さんのダイナマイト自殺は、他のご家族にはどんな影響を及ぼしたのでしょうか? たとえば、お父さんとか?

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末井昭氏(以下、末井)「親父は引きこもりになっちゃいましたね。もともと親父にも原因があったし、人と会いたくないって、家で寝てばかりで働かないんですよ。だから、うちに食べるものがなくなって、3つ下の弟といっしょに栗林に入って、栗を拾いに行ったりね。夜中に僕が栗の木に登って、カサカサとやるんだけど、うちの弟の頭にポンポン落ちてくるから泣き出しちゃってね。そういう日々だった」


――映画のなかにある末井さんのお父さんがテレビに出演しているシーンは何でしょうか?

末井「『ルックルックこんにちは』というテレビ番組です。視聴者の願いを叶えるというコーナーがあって、うちの親父が応募して出演したわけ。その願いというのが、岡山のかなり離れたところに住むおばあちゃんと付き合ってて、ときどき会っていたんだけど、そこの娘さんに反対されているから許してもらいたいと。親父とおばあちゃんがテレビに出て、2人の恋愛を許して欲しいと話したら、コメンテーターの竹村健一も応援して、娘さんに電話をするわけです。そして、竹村健一がおばあちゃんの恋愛を許してあげてくださいと言ったら、娘さんが一言、岡山弁で『やっちもねー』って。要するに『くだらない』というわけ(笑)」


――許さないと(笑)

末井「で、ガチャンと切られちゃったの。そうしたら、スタジオのみんなはポカーンとしちゃって。それを弟が見ていたんですよ。僕は見ていないんだけど」

 
――お父さんは不思議な人ですね

末井「人前で何かをするのが好きなんですよ。似ているところがありますね、嫌なんですけど(笑)」

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