薄毛治療に朗報!! ツルツルがフッサフサに! でもちょっと微妙な“生えた理由”とは?
■研究に対する疑問の声
さらに、もともとはリウマチやガンの治療薬として開発されたルキソリチニブを脱毛症の治療に使うことに対して疑問の声もあるようだ。ちなみこのルキソリチニブは今年7月に『ジャカビ(R)錠』(ノバルティス)としてアメリカ米国食品医薬局(FDA)の製造販売承認を受けたものの、日本の厚生労働省ではまだ認可がおりていない薬である。
ペンシルバニア大学の皮膚科医、ジョージ・コサレリス博士は「塗り薬の試験ならいざ知らず、1日2回の服用でルキソリチニブを患者の身体の隅々にまで行き渡らせることは、とても毒性の強い治療法で肝臓や血液への悪影響や、感染症などの病気を引き起こしかねない」と、「New York Times」の記事の中で警告している。この実験の被験者の内の1人、ブライアン氏は臨床試験がはじまってから頭髪のみならず腕や背中にも毛が生えてきて「とても驚いた」と述べていることが、同記事の中でも綴られている。
またこのニュースを扱った「Daily Mail」の記事では、脱毛症の女性、サラ・フォードさん(26歳)が、胸部の感染症の治療で服用したステロイド剤の『副作用』で頭髪が回復したケースも併せて紹介している。しかし当然ながら治療の終了と共にステロイド剤の服用を止めることになり、このサラさんの見事に甦った頭髪がその後も残ることになるのかどうかは時が決めることになる。もちろんサラさんはこのまま頭髪が残ってほしいと願っているが……。
……と、希望に溢れたニュースをお届けする当初の意図からはずいぶんと違うニュアンスの記事になってしまった。ともあれ、治療法の安全性が証明させるまで今後さらに入念な研究が行われねばならないことは言うまでもないが、調べるうちにニュースの背後には巨大なヘアケア商品市場や新薬をめぐる医療業界や製薬業界の思惑が存在する可能性も視野に入れて考えていかなければいけないと感じた。賛否両論、異論反論が免れない種類の問題だと思うが、読者諸兄はどのように感じただろうか?
(文=仲田しんじ)
参考:「Daily Mail」、「New York Times」ほか
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊薄毛治療に朗報!! ツルツルがフッサフサに! でもちょっと微妙な“生えた理由”とは?のページです。脱毛、ハゲ、医療、研究、薬、仲田しんじ、薄毛などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで