首都直下地震で首都高全壊?“危険すぎる地盤”を徹底解説!! あなたの家は大丈夫?

■震災死の多くは回避できた!

「神戸で地震がある。それはわかっていた。発掘していると断層が出てきますから。神戸では五カ所発掘をすると、そのうち二、三カ所は地震の原因である断層、ないしは地震の結果できた地割れが出てくる」(『倒壊』、前掲)と高橋氏は語る。だが、発掘調査で得た災害に関する知見を散々マスコミに告げても、どこも取り上げてはくれなかったという。このような「関西では大きな地震など起きない」という思い込みが、多大な犠牲者を生む事態につながってしまった。

 そもそも昔の日本人は、かつて海・河川・沼だったような災害リスクの高い土地に住むことを避けてきたのだが、1960年頃からはじまる高度経済成長に伴って都市部の宅地開発が進み、旧河道や旧農地のような軟弱地盤の上にも家が建てられるようになっていった。先月の広島の局地的豪雨でも、山の斜面を切り開いて造成されたような、見るからに土砂災害のリスクが高そうな場所で甚大な被害が起きた。本来、そのような土地は、人が住むべきではない場所なのだ。

首都直下地震で首都高全壊?危険すぎる地盤を徹底解説!! あなたの家は大丈夫?の画像2画像は「YouTube」より


■首都直下地震が起きたら……

 高橋氏によると、「神戸は全体的に見ればまだ地盤が良い方で、名古屋や東京の方がもっと悪い」のだという。著者と知り合いの建設エンジニアは、「首都高の都心部分は地盤の弱い河川の上を走っているため、地震の規模によっては全壊することも考えられる」とさえ語る。この話ひとつを取ってみても、将来の首都直下地震では、想像を絶する「想定外」の大惨事が待ち受けている可能性があるといえるのだ。

 東京の下町のほとんどが、縄文時代は海だった土地で、地盤が極めて弱い。自分が住む土地の地盤の良し悪しは、たとえば朝日新聞デジタルの「揺れやすい地盤」のページなどで、町丁目単位でチェックすることができる。筆者の住む東京都小平市花小金井6丁目を調べてみると、揺れにくい土地と揺れやすい土地の中間的地盤で「場所によっては揺れやすい」となっている。曖昧な表現だが、自分の家が建つ土地の地盤をピンポイントで調べるには、やはり専門家に依頼するしかないのかもしれない。


 すでに多くの建物が建ち、街が形成されている地域で全体的に地盤を強化しようとするのは困難だろう。来るべき大震災を生き延びるためには、そのような土地に住まないに越したことはないようだ。


【参考】
「大地震に備える」高橋学(仙台放送)
・『倒壊』(島本慈子、筑摩書房)
・『巨大地震の後に襲ってきたこと!』(高嶋哲夫 編、宝島社)

文=百瀬直也

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