美しい写真で見る秘境「軍艦島」 ― 世界文化遺産を目指して
撮影:酒井透、小田部あけみ
2015年(平成27年)の国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産登録に向けて、その航海を続けている軍艦島(長崎県長崎市端島)。近年、産業遺産や近代化遺産の価値が再認識され、軍艦島の注目度も右肩上がりとなっている。
筆者は、昨年トカナで『軍艦島大特集』(5回連載)を執筆したが、6月に世界文化遺産登録の可否が審議されるまで余すところ半年となった今、軍艦島の魅力をもう一度再検証してみたい。
撮影:酒井透、小田部あけみ
まず1回目は、観光上陸することのできる島の東側にスポットを当ててみよう。
現在、島の南東側には、軍艦島に上陸して見学をするための遊歩道が整備されている。その長さは、220メートルあまり。この遊歩道には、3カ所の見学所が設けられている。
撮影:酒井透、小田部あけみ
まず、第1見学所から見ることのできるのは、海底奥深くで産出された石炭を一時的に集積していた抗口原炭ポケットの側壁部分や、その石炭を製品炭にするために使っていたドルシックナーなどだ。また、そのすぐ南側にある第2見学所から見ることができるのは、明治時代に作られた第三竪抗捲座跡や第二竪坑桟橋などだ。そして、島の最南端部分に位置している第3見学所からは、1916年(大正5年)に建てられた30号棟などを見ることができる。この中での最大の見所は、第三竪抗捲座跡と30号棟だろう。30号棟は、国内最古のコンクリート建築のアパートだ。
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