世界でいちばん放射線量の高い場所10 ― 汚染惑星、地球を知ろう【PART1】
■第8位 ソマリアの海岸部/ The Somalian Coast
内戦のため、現在、無秩序状態に陥っているソマリアの海と土壌が、長期にわたって、始末におえない有害廃棄物をひそかに投棄する「世界のゴミ捨て場」として使われてきた疑惑がある。ソマリアは北が元イギリス領、南が元イタリア領。1960年に独立し、1969年に統一を果たしたものの、その後も南北の折り合い悪く、1991年には内戦が勃発した。
政府と沿岸警備隊のこうした空白をついて、一部武装勢力がヨーロッパの企業と契約をとり交わし、先進諸国のさまざまな有害化学物質を国内にもちこんでは、海中や荒れ地に投棄してきた事実が次第に明らかになってきた。ここには600バレルの有害廃棄物と核廃棄物、また放射性医療廃棄物(radioactive hospital waste)が含まれているという。
ひそかに海に沈められた放射性廃棄物や重金属、カドミウムや鉛や水銀のバレルは、2004年12月26日に起きた、インドネシア・スマトラ島沖を震源とするM9.1の巨大地震と、これによる最大20メートルの大津波のために、長い海岸線に沿って打ち上げられて、ようやく人々の知るところとなった。
国連環境計画(The United Nations’ Environment Program)は、錆(さび)ついた廃棄物のバレルが1990年代に投棄されたものと推測しているが、「ソマリアの海賊は元は漁師だった。放射能汚染で漁業できなくなって海賊業にくらがえした」とは、しばしば耳にするところだ。
先進国のエゴイズムと一部ソマリア人の歪んだ欲望がいまや、建国からわずか55年のごく若い国を滅亡の瀬戸際にに追いやろうとしている。
さて、以上3つのリポートを読まれたあなたは、地球のほとんどいたるところに、放射性物質に侵された場所(radioactive places)が広がっている事実に、思わず眼を見開かされる思いを味わったのではないだろうか? だが、その地の人々の多くは、彼らと子どもたちに悪影響をおよぼす放射線の恐怖の中で日々、生活を営んでいるのだ。
(文=石川翠)
参考「brainz」「LiveScience」
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