父親が息子の右手を切り落とす ― 止まぬアルビノの少年少女襲撃事件=東アフリカ
国連の調査によると、直近6カ月で東アフリカにおいて少なくとも15人ものアルビノ(先天性白皮症)の人々に対する襲撃事件が報告されており、その被害者の大半が子供たちだ。
■アフリカ南東部地域に残る土着信仰
アルビノとは、先天的なメラニンの欠乏により体毛や皮膚が白くなる遺伝子疾患で、医学的には先天性白皮症と呼ばれている。東アフリカでは、古くからアルビノの身体には特別な力が宿るという迷信が広まっており、彼らの手足や臓器など身体の一部をお守りとして持つと、富、幸運、愛などがもたらされると信じられている。そんな恐ろしい土着信仰が今なお続く東アフリカでは、最近になってさらにアルビノの人々を襲撃する事件が増加しているという。

一般的にアルビノの生まれてくる頻度は1万人~2万人に1人程度と推定されているが、東アフリカに位置するタンザニアでは世界水準よりもかなり多くの確率で生まれているそうだ。そのため東アフリカ地域には、アルビノの身体の部位が高額で取引されるブラックマーケットが存在し、高額報酬に目がくらんだ犯罪者が残酷な事件を起こしている。
そのような悪魔的な犯罪がはびこる東アフリカ地域に生きるアルビノの人々は、外出する事にも恐怖を抱き、とくにターゲットにされやすい子供たちは、学校で勉強することもできない状況が続いている。
■残忍なブラックマーケット高額報酬に近親者による犯罪も発生している!
アルビノの人々が襲撃される事件は、タンザニア、マラウィ、ブルンジといった東アフリカの国で多く発生している。その残忍なブラックマーケットに、彼らの身体を提供した者は、どの部位であっても一律7万5,000USドル(約900万円)の報酬が支払われていると赤十字国際委員会は報告している。

最近では、近親者による事件も発生している。マラウィでは、今年に入ってから少なくとも6件のアルビノ襲撃事件が報告されているが、そのうち今年の1月に発生した11歳のミナ・ジェフリーちゃんが夜間に3人の男性に誘拐された事件では、彼女の叔父が犯人グループのひとりとして逮捕されている。幸運にもミナちゃんは逃げ延びたが、容疑者たちは後にミナちゃんの体の部位と引き換えに6,500USドルの報酬が約束されていたと供述している。
タンザニアでも同様の事件が発生しており、6歳のバラカ君は自宅で7人の男性に襲撃された。容疑者たちは山刀で彼の右手を切り落とし逃走。バラカ君は一命をとりとめたものの、彼と母親は頭部にも重傷を負い病院に運ばれた。その後、容疑者は捕まったが、そのうちのひとりがバラカ君の父親であったという。
国連の調査によると東アフリカでは今年に入ってからアルビノ襲撃事件がさらに増加傾向にあるとされている。しかし、未だに報告されていない事件も多くあるといわれ、その調査結果は氷山の一角にすぎない。
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コメント
なんだかなぁ。
インドでは、古い時代から奇形の子供は神と同一視されて大事にされてきたのに
アフリカでは・・・。
奇形とアルビノは体の状態として別だけど
「その他大勢と異なる外見」という意味では、変わらないと思うんだが
この扱いの違いは・・・
(-ω-;) ウーン
昔のインドにはタイミングよく、
人道的な感性と知恵のある権力者(首長・聖職者・王など)がいたということか?
アフリカの歴史には、そういう権力者がいなかったと・・・?
何だかなぁ。
時代が古いほど、人間的な感性を持っていても、権力がなければ社会に周知できない。
悩ましいなぁ。
アメリカ、ロシア殺せば
こういう人たちこそ難民で受け入れればいいのに