「豚足」の赤ちゃん誕生 ― 苦しみを助長する貧困問題=中国
トカナは、奇病・難病に関する様々な話題を届け続けている。彼らの存在は、我々の価値観を揺るがす。何が美しくて何が醜いのか、また、幸せや生きる意味について再考するきっかけを与えてくれる。他者の苦しみを軽視することなく、畏敬の念をもって知られざる現実に触れ、理解しようと努力することは、きっと何か素晴らしいことにつながるはずなのだ――。
さて、今回紹介するのは、英紙「The Daily Mail」が報じた「豚の足」をもつ赤ちゃんの話題だ。
■地元記者に「豚の足」と書かれた赤ちゃん、蒸発した父親
中国・山東省濱州(ひんしゅう)市。今から約6カ月半前、ここにひとりの女の子、モンユーちゃんが生まれた。しかし、彼女は生まれながらにして手足に奇形を抱えていたのだった。
奇形児とはいえ、愛するわが子には変わりない。両親は愛情をもって育て、モンユーちゃんの奇形をなんとか治療したいと考えていたが、残念ながら一家は貧しく、毎日の食事を準備するだけでギリギリという生活を送っていたのだった。
そして彼らが置かれている窮状は、ある地元メディアがモンユーちゃんの足を「豚の足」と報じたことで注目を集め、広く世に知れ渡ったという。
モンユーちゃんを診察した医師は「生後4カ月~6カ月以内に何らかの処置をする必要がある」と告げたが、その時すでに生後6カ月半が経っており、手の一部には化膿の症状も現れていたため、一刻も早い処置が必要とされていた。
愛する娘に残酷な呼び名をつけられ、「このままではダメだ、こんなことでは赤ん坊を助けることはできない」と悩んだ父親は、モンユーちゃんの手術費用を稼ぐために今年初めに家を出たのだという。するとどうだろう、なんと父親はそれっきり家に戻って来なかったというのだ。
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