「日本の根拠弱い」イルカ漁問題に社会学者の古市憲寿氏が言及
「すべてのクジラ類は日本に近寄るだけで危険にさらされる」
和歌山県・太地町でのイルカ追い込み漁を批判的に描いた、アメリカの映画『ザ・コーヴ』が09年に公開され、第82回アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞などの受賞をはじめ、映画賞を総なめ(公称24冠)にした。
その影響もあり、国際組織の世界動物園水族館協会(WAZA)は、「イルカ漁をやめなければ、日本動物園水族館協会(JAZA)を組織から除名する」と日本側に通告。これを受けたJAZAは、20日、加盟する水族館が、イルカ漁で捕獲したイルカの展示を禁止することを発表。これにより、日本の水族館からイルカショーが激減する可能性が高まった。
24日に放送された『ワイドナショー』(フジテレビ系)がこのニュースを取り上げると、松本人志は、「イルカの追い込みをやめろと、日本に追い込みをかけている」とコメント。
しかし、どこの国にも水族館や動物園はあるにも関わらず、なぜ、イルカだけ展示が禁止される方向に突き進んでいるのか? そもそも欧米人はなぜ、イルカやクジラが好きなのか? などと疑問が挙がった。これに対し、海外生活の長い、ラフルアー宮澤エマは、外国人がイルカ漁禁止を呼びかける理由について
「単純に感情論だと思います。可愛くて、哺乳類で頭がいいから、擬人化しているところがある」
と語った。
また、石原良純は
「(イルカ漁禁止は)禁煙みたいなもので、『よくない』と広がったが、(誰でも)動物を殺したり、展示することがよくないというのはわかっている。じゃあ、どこまで(動物をショーに出演させていいのか)ということで、今ではサーカスのゾウも可哀想だと言われている」
と問題定義する。
日本の社会学者の古市憲寿は
「(日本がイルカ漁禁止に反発するのは)伝統だからというだけでは理由にならない。日本にはすたれてきた伝統と守ってきた伝統の両方がある。『(イルカ漁をするのは日本の)伝統だから』というだけでは根拠が弱くて、もう一歩進まないと世界的にも納得してもらえない」
と指摘した。
現在、JAZAからのイルカ展示の禁止を受けて、直接的な被害を受ける、太地町の自治体や漁業関係者らからは「不公平な結果だ」という声が上がっている。こうした人々の声に耳を傾けた上で、イルカ漁を伝統として残すか否かについて、いま一度、国内で議論を深めることが必要なのではないだろうか。
(TV Journal編集部)
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊深夜のパチンコ屋にうつむきながら入っていく謎の男達と不思議な警察官【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.09.18 20:00心霊奇妙な風習…“引っ張り合う”魂が集う墓地に佇む老婆【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.08.07 20:00心霊「日本の根拠弱い」イルカ漁問題に社会学者の古市憲寿氏が言及のページです。松本人志、TV Journal編集部、ワイドナショー、イルカ漁、古市憲寿などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで