【死刑囚の実像】生真面目すぎた凶悪犯 ― 元公務員が残忍な殺人犯になった真相を探る
――人を殺した人と会う。死刑囚の実像に迫るシリーズ【5】
「強盗です。お金を出してください」
男は被害者宅に押し入った際、サバイバルナイフを突きつけ、そのように場違いな敬語で脅迫したという。犯行に及んだ男の名は沖倉和雄(事件当時60歳。以下、年齢のみ)。地方公務員として長らく市役所勤めをした経歴を持つ異色の殺人者だ。
■凶悪を極めた犯行内容「あきる野市資産家姉弟強盗殺人事件」
東京都あきる野市で暮らしていた資産家の姉弟、大福(おおぶく)康代さん(54歳)と広和さん(51歳)が行方不明になったのは08年4月。捜査の結果、2人を殺害し、金品を強奪するなどした容疑で、元あきる野市職員の沖倉と土木作業員の伊丸岡頼明(64歳)が検挙された。のちに裁判で明らかにされた2人の犯行はまさに凶悪を極めていた。
2人が大福さん宅に押し入ったのは4月9日午後8時頃だった。まずは1人で在宅していた広和さんを、沖倉が先述のように敬語で脅迫し、伊丸岡が広和さんの両手足を粘着テープで拘束。そのうえで室内を物色していると、康代さんが帰宅してきたため、沖倉が再びサバイバルナイフを突きつけて「私は強盗です。お金を盗りに来ました」と脅迫し、伊丸岡が康代さんの両手足にも粘着テープを巻きつける。そして2人は現金35万円とキャッシュカード35点を奪うと、沖倉が康代さんの頭部に、伊丸岡が広和さんの頭部にそれぞれポリ袋をかぶせ、首に粘着テープを巻いて密封し、窒息死させたのだ。
沖倉と伊丸岡はこのような残忍な方法で大福さん姉弟を殺害後、遺体を長野県の山中に運び、土中に埋めて証拠隠滅。さらに奪ったキャッシュカードでATMから約526万円の現金を引き出して窃取した――。
裁判で被害者の遺族は2人の殺人犯に対し、
「死刑でただ死ねばいいとか、そんな甘いものではないと思います」
「(被害者の)2人が苦しんだのと同じ方法で、(犯人の)2人を殺してやりたいという気持ちです」
と峻烈な処罰感情をあらわにしたが、それも当然のことだろう。
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