「モノ」が放つ想念に導かれて ― フリーメーソン、宜保愛子、わら人形コレクション
「まあ、亮介は、病気のようなものでね。しようがないと諦めていますけど(苦笑)。なんというか、彼、優し過ぎるというか、そういうところが問題なんですよ。やっぱり、自分がもっていないもの、強いものとか屈しない力、突撃できる精神みたいなものを欲する気持ちが、収集に駆り立てるんだと思います。暴走族や任侠団体、宗教などのコレクションがそれを表していると思いますよ。親としては、最近、精神的に落ち着いているので、とても安心して見ていますが。
彼女とか、結婚の心配ですか? それは、全然ありませんね。そういうのは、本人が独自に習得するべきことですし、なるようになるんじゃないでしょうか(笑)。だから、どうぞ、好きに書いてやってください」
甘やかすような感じではなく、意外と、我が子を冷静に捉えたような口調だった。
■「モノ」が放つ想念に導かれて
渡辺氏はこれからも裏モノコレクターとしての活動を続けていくつもりだという。しかし、氏には最近、心配事がある。「僕が死んだ後のことを考えるんです。僕が死んでしまうとこれらのコレクションは全て、わけがわからないものとして歴史の隅に葬り去られると思います。そうはして欲しくないけど、たぶん無理でしょう……」 そう言って、目を伏せる。氏にとって、裏モノコレクションとは、生きることそのものなのかもしれない。それが自分の死とともに無価値となるのは、二重の死に等しいことなのだろう。
氏には時々、集めてきたものから「残像のようなもの」が見えるという。
「ものが放つ想念のようなものですかね。そういうものは光の当たらないところから来る存在で、それが僕を仲間と思っているかもしれません。どうしても引き寄せられてしまう」と語る。
その言葉に、自らの意思とはまた別の存在に引きずられる、氏の業のようなものを感じた。引き続き、渡辺氏とコレクションの行方を筆者は見続けていきたい。
(取材・文=山辺健史/やまべ・たけし、写真=新納翔)
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