【防災の日】政府の被害想定は甘すぎる!! 迫り来る「首都直下地震」発生直後の地獄絵図とは?

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■経済崩壊、首都機能マヒ、政治は大混乱

 今後起こり得る首都直下地震は、IT化が進んだ時代における初めての大震災となることも忘れてはならない。いままで予想もしていなかった事態は、IT関連の分野でも起きるのではないか。筆者はソフトウエア開発歴25年の元SEだが、この分野で十分なシミュレーションがされているとは思えないのだ。多くの企業は地下などに自家発電設備を有しているが、地震によりそれ事態が機能しなくなれば、どうなるか? たとえば停電が1週間続くとして、自家発電のための燃料を確保できるかどうかも問題となる。現在の高度情報化社会では、企業のサーバや個人のPCが動作しなければ、企業活動はほぼ成り立たない。経済は崩壊、東京の首都機能はマヒし、日本の政治は大混乱に陥るだろう。


 こうして見てきたように、災害という観点から見た場合、とにかく都心は危険だらけだ。関東地方は、3つのプレート境界が重なり合った上に位置するため、世界でもっとも地震が多い地域のひとつとなっている。そのように危険な土地が首都であれば、いつか大災害に見舞われる宿命にあるといえるだろう。特に日本人は、強い「正常性バイアス」を持っていると言われる。これは心理学用語で、自分にとって都合の悪い事実を無視したり、過小評価したりしてしまう人間の特性のことだが、目前に大災害の恐怖が待ち受けているのに、「まさかこんなことは起こるはずがない」と現実を否定することによって、十分な防災対策をせず命を落としてしまうこともあり得る。

 ただし、大地震が怖いからといって、平日の朝夕に通勤電車に乗らないわけにはいかない。車で通勤しても、首都高が倒壊する恐れもある。自宅にいた場合でも、軟弱な地盤の上に建てられた家は倒壊して命を落とすかもしれない。物事には優先順位があるが、食料の備蓄や帰宅困難の問題よりも、まず自分や家族の「命が助かる」ことを最優先に考えるべきだろう。家族全員が死んでしまったら、食料の備蓄も意味が無い。東京都のハザードマップを見ると、液状化、建物倒壊、密集地での火災などさまざまな観点から、特に23区の東半分の危険度が高くなっている。震災で生き残るためには、まず自宅の耐震対策や地盤強化に力を入れ、それも難しければ、より安全な土地へ引っ越すなどの検討も重要になってくるのではないだろうか。


百瀬直也(ももせ・なおや)
超常現象研究家、地震前兆研究家、ライター。25年のソフトウエア開発歴を生かしIT技術やデータ重視の調査研究が得意。ブログ:『探求三昧』、Web:『沙龍家』、Twitter:@noya_momose

※百瀬氏が企画・執筆したコンビニムック『2015予言 戦慄の未来記』(ダイアプレス)、大好評発売中!

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