“呪殺”を唱える超過激な脱原発僧侶集団「JKS47」の恐ろしき妙法とは?
「呪殺祈祷僧團(JKS47)を名乗る謎の僧侶の集団が霞が関に集い、脱原発運動の拠点となっている“経済産業省横テント”を舞台に、今の日本をダメにしている権力者たちを呪い殺す読経を行う――」
ある日、このような内容のフライヤーがネット上に流布され、不穏なうわさが広まった。
全身に驚愕が走った。「呪殺」を予告した「呪殺祈祷僧團(JKS47)」とは、人を呪い殺すことを目的に昭和45年に結成された、伝説の密教集団である。45年の時を経て、暗黒仏法の覇者たちが現代に蘇るとは、いったいどういうことなのだ。
昭和の日本は、企業が無責任に垂れ流す有機毒物などを原因とした公害問題に苦しんでいた。水俣病、イタイイタイ病……。そうした社会情勢の中で、苦しみの中で死んでいった被害者たちの恨みを込めて、病気の発生源とされた公害企業の経営者たちを妙法の力で“呪い殺す”――。これが、呪殺者集団「呪殺祈祷僧團(JKS47)」誕生の背景である。
さて、予告された「呪殺」当日。会場を訪ねた。
■蘇る、現代の呪殺者たち
時は2015年8月27日、呪殺予告日の午後3時。経済産業省本館横「脱原発経産省前テントひろば」は、異様な雰囲気に包まれていた。空は黒い雲に覆われている。原発や安保法制の強制可決など、人々が抱える社会状況への暗然たる不安が、いまや僧侶たちをも「呪殺」という禁じられた仏法に駆り立てる――。
警察官たちも緊張の面持ちを隠せない中、太鼓の音を響かせて「呪殺祈祷僧團」は登場した。「呪殺」「死者が裁く」と大書された黒いのぼりを掲げて、信奉者たちも行列している。
そして蝋燭がともされ、暗い響きで経文が書かれた太鼓が打ち鳴らされる。ついに、黒い法衣を身にまとった7人の僧侶による「呪殺」読経が始まった。
耆闍崛山中 大比丘衆万二千人倶~
皆是阿羅漢 諸漏已~
い、いったいこれはなんなのだろうか……。筆者はしばし言葉を失った。こ、これは宗教界の反原発運動なのか、右翼なのか、左翼なのか? あるいはオカルト的な暗殺集団なのだろうか、あるいは……?????
呪殺経文を読経する僧侶たちの背景に視線を走らせると、うん? 第30回講談社エッセイ賞受賞作家の末井昭氏がサックスを鳴らしている。周囲には独特な演出で生み出された演劇空間が広がっている。
そうか! た、たとえるなら……現代における「呪殺」、それはまるで前衛芝居のひとつとして行われる、街頭芝居のような一種異様な街頭劇なのかもしれない。
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