DV、離婚、遺体解体…4人を殺害“透明”にした事件の真相! 死刑囚・風間博子は無実か?
■風間の主張
「埼玉愛犬家連続殺人事件」では、3件の事件で、4人が犠牲となっている。風間は2件の3人の殺害に関わったと判決ではされている。
1件目は、93年4月20日、犬の売買で関根とトラブルになっていた川崎明男さん(39歳)が殺害された件。
2件目は7月21日、稲川会八木田一家高田組代行の遠藤安亘さん(51歳)が殺される。遠藤は川崎さん殺害に気づいて関根を強請っていたのだ。同時に遠藤といつも一緒にいる付き人の和久井奨さん(21歳)も殺害された。
3件目は、8月26日に殺された、関口光江さん(54歳)。関根は関口に、法外な値段で犬を売りつけた上、偽の投資話で金を巻き上げている。関口さん殺害については、風間は起訴されていない。
山﨑は群馬県片品で、国鉄(現JR)から買った貨車二台をL字型に置き改造した、地元で「ポッポハウス」と呼ばれるような家に住んでいた。いずれの遺体も、このポッポハウスに運ばれ、風呂場で解体された。細かく刻まれた肉片は、近くの渓流に流される。高温で燃やされて粉になった骨は、山林に捨てられた。
逮捕から一貫して殺人に関与したことは否認してきた風間だが、全面無罪を主張しているわけではない。
【1件目川崎さん殺害における、風間の主張】
川崎さんの車であるアウディを運転する山﨑に、風間は自分のクレフで、東京の八重洲地下駐車場までついていき、山﨑を乗せて熊谷に戻っている。山﨑は、東京に住む元妻や愛人と、よく車の貸し借りをしていた。キイを共有し、顔を合わせずとも車の受け渡しができることを風間は知っていたので、そのための車の移動だと思っていた、というのが風間の主張だ。
【2件目、遠藤さん、和久井さん殺害における風間の主張】
遠藤が殺害される7月21日は、「今夜、遠藤んちに行ってるから、10時頃迎えに来てくれ」と関根に言われ、30分ほど遅れて風間はクレフで行き、犯行に居合わせてしまったという。
その後、山崎がクレフを運転。関根に命じられて、風間は2人の遺体が乗ったカリーナバンを運転。2台で片品に向かった。ポッポハウスでは、解体を始めた関根に怒鳴られて、遺体の手と脚を持ったが、すぐに「もういい」と言われた。これが死体損壊遺棄にあたることは、風間自身も認めている。
■事件組み立ての基になった、山崎の最初の供述現在の万吉犬舎 では、証拠とされている山﨑の取り調べ時の供述をみてみよう。
「アフリカケンネル」は、埼玉県熊谷の繁華街にペットショップを構え、街から離れた万吉というところに「犬舎」を持っていた。7月21日は、その万吉犬舎から、関根と風間と山﨑の3人でカリーナバンに乗り、遠藤宅に向かったというのだ。山﨑は遠藤宅には入らず、関根と風間によって殺害行為が行われたと語った。
犯行後は、2人の遺体が乗ったカリーナバンを山崎が運転して午後11時15分頃、万吉犬舎に戻り、クレフと自分のベンツの間に停めた。その後、山﨑がクレフを運転、助手席に関根を乗せたカリーナバンを風間が運転し、片品に向かったとなっている。
■山崎の最初の供述が虚偽である証拠
これが事実なら、昼間からその時間までクレフは万吉犬舎の駐車場に停まっていたことになる。また、ベンツはそのまま翌日まで停まっていたことになる。
関根とトラブルになっていた川崎が行方不明になったことで、埼玉県警は関根を疑い万吉犬舎を監視していた。それを記録した行動確認日誌には、クレフもベンツも見られた記録がない。
判決では捜査官の見落としとされたのだが、再審請求の新証拠として提出されたのは、万吉犬舎の駐車場と監視場所との位置関係を、航空写真や動画で撮影したDVDである。現在は駐車場であった場所に作業所が建てられているが、当時は駐車場と監視場所の間は田畑で遮るものは何もなく、距離も120メートルしか離れていない。駐車場には壁も柵もなく、停まっている車両そのものが見える。実際に出入りのあった車は、車両ナンバーまでが日誌に記載されている。
クレフもベンツも見られていないのは、山﨑の供述が虚偽であることを示しているといえるだろう。山﨑は自車であるベンツで万吉犬舎に来たと言っているが、最初から犯行に使われたカリーナバンで行動していたとなると事前共謀を疑われるので、監視されていた時はしかたがないとしても、それ以前の犬舎への到着はベンツによるものとしたのではないか。
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