繊細で美しすぎる!! 死刑囚が描いたイラストが新刊小説『迷宮の飛翔』の挿絵に! 【埼玉愛犬家連続殺人事件】
9月に刊行された、蜷川泰司著『迷宮の飛翔』(河出書房新社)に、死刑囚である風間博子の16枚の絵が、挿絵として掲載されている。死刑囚の絵が小説の挿絵となったのは、おそらく初めてのことだろう。
ページをめくると、はっと目に飛び込んでくる、緻密で繊細なモノクロームのペン画。街の風景にしても人物の姿にしても、きわめて静謐だが、描いた者の激しい情動が封じ込められているように見える。
■冤罪の可能性も? 『埼玉愛犬家連続殺人事件』
風間博子は1993年に4人が殺害された『埼玉愛犬家連続殺人事件』で、元夫の関根元とともに、殺人と死体損壊遺棄で起訴された。2009年最高裁に上告するも棄却され、死刑判決が確定している。
風間は逮捕以来、殺人に関しては一貫して否認。現場に呼び寄せられ、犯行に居合わせた恐怖の中で、関根に命じられ、死体を乗せた車の運転と遺体解体の一部を手伝ってしまったことだけを認めている。
風間と関根の起訴の元になった供述をしたのは、脅されて死体損壊遺棄のみを行ったという共犯者の山崎永幸である。だが彼は、証人としてふたりの公判に出廷した際に、「博子さんは無実だと思います」「人も殺してないのに、何で死刑判決出んの?」と発言している。
風間は獄中で、ペンや12色の色鉛筆など、限られた画材で絵を描き続けている。以前から絵の心得があったのではと思わせる腕前だが、逮捕前の経験は美術の時間や夏休みの宿題くらい。画集を手に取ったことさえなかったという。
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