7人の“スーパー障がい者”が大活躍! 山口組分裂で超タブー映画解禁か?
■「差別」を突き抜けた清々しさ
7人全員が障がい者、しかも7人7様のハンディキャップ。ポスターのキャッチコピーもこうだ。「この世の者とは思えぬ奴が、ぐっと凄んで何をしでかす!?」(この世の者とは思えぬ奴って……)。7人が各々の障がいを罵り合うシーンもどこかユーモラスで、観客は大ウケだ。これは現在の社会通念では不謹慎とされるが、かつては『座頭市』や片腕片目の『丹下左膳』など、滅法強い障がい者が庶民のヒーローとして一時代を築いていたのだ。
いがみ合い、殺し合い、お互いの欠点をバカにしながらも、不思議な友情が芽生えていく7人。それぞれ敵対する組に属していた用心棒同士の彼らも、最後は団結して諸悪の根源・金子信雄に立ち向かう。ハンディをものともしない(というか、まったく悩んでいない)彼ら7人の戦いっぷりは「差別」なんて言葉を突き抜けた清々しさで、観た後はスカッとする、まさに痛快活劇だ。
しかし当時
『博徒七人』には関係団体から苦情があり、ビデオ化はされず、現在もソフト化の予定は聞かれない。ちなみに、主演・鶴田浩二で藤山寛美、山本麟一、待田京介も引き続き出演する同年公開の続編『お尋ね者七人』も、同様に封印されたままである。東映さん、「山口組」以外にも目を向けて、ぜひ両作品のソフト化をお願いします!
『博徒七人』
1966年公開・東映
監督/小沢茂弘
脚本/笠原和夫
出演/鶴田浩二、藤山寛美、山城新伍ほか
■天野ミチヒロ
1960年東京出身。UMA(未確認生物)研究家。キングギドラやガラモンなどをこよなく愛す昭和怪獣マニア。趣味は、怪獣フィギュアと絶滅映像作品の収集。総合格闘技道場「ファイト ネス」所属。著書に『放送禁止映像大全』(文春文庫)、『未確認生物学!』(メディアファクトリー)、『本当にいる世界の未知生物 (UMA)案内』(笠倉出版)など。新刊に、『蘇る封印映像』(宝島社)がある。
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2024.10.02 20:00心霊7人の“スーパー障がい者”が大活躍! 山口組分裂で超タブー映画解禁か?のページです。ヤクザ、山口組、障がい者、博徒七人などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで