ロシアの最新鋭大陸間弾道ミサイル「トーポリM」発射の瞬間!

 核戦争と第三次世界大戦の可能性をはらんでいた「米ソ冷戦」は1989年12月にソ連共産党書記長のミハイル・ゴルバチョフと、ジョージ・ブッシュ大統領が地中海・マルタ島で会談し終結が宣言された――。この時世界の多くの人々がホッと胸を撫で下ろしたに違いないが、それから26年を経た今日が本当に冷戦時代よりも平和な世の中なのだろうか。冷戦時代の負の産物である大量破壊兵器、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の脅威が再び高まっているというのだ。


■大陸間弾道ミサイル「トーポリM」発射の瞬間

 動画暴露サイト「LiveLeak」に先日投稿された動画は、ロシアの大陸間弾道ミサイル・RT-2PM2、通称“トーポリM”がミサイルサイロから発射される様子を鮮明に捉えた映像である。

動画は「YouTube」より

 薄っすらと雪の積もった発射口のハッチがおもむろに開くと、ミサイルの先端が頭をもたげてくる。完全に全身を現す前にロケット燃料に火が入ったのか、爆音と共にあたりを炎に包み急激にスピードを上げて空の彼方へと消え去っていくのだ。発射訓練の際に収録された映像であることは明らかだが、いつどこで発射されたトーポリMであるのかについては一切情報がないようだ。もちろんミサイルサイロの位置は軍事機密であるから、そこまでわかってしまっては逆に問題があるわけだが……。

 同じく「LiveLeak」が昨年1月15日に投稿した動画などによれば、2015年はこのトーポリMの行動が何かと活発であったようだ。トーポリMはサイロから発射される以外にも専用の車両に搭載して移動・発射が可能なのだが、こうした車載型のトーポリMの数は着実に増えており、移動する姿もこれまでに比べて頻繁に目撃されるようになっているという。

 モスクワ北西に位置するトヴェリ州ボロゴフスキーでは、この車載型のトーポリMを運用する戦略ロケット軍の一部隊が、雪積もる森の中へと入り込みすっかり姿をくらましてしまったという。そしていつでも発射できる体勢を維持しつつ1カ月もの間、森の中を移動しながら作戦行動を続けていたというのだ。少し考えただけでも、雪が降る森の中という条件下では確かに軍事衛星からのミサイル車両の特定は難しそうである。しかも絶えず動きまわっていることで捕捉はさらに困難になるだろう。

 これに加えて昨年の5月には、トーポリMを搭載した車両が川を越える訓練も行われている。現場で組み立てられるイカダ型の設備に乗り上げた車両が、幅広い河川を渡って対岸へと上陸する様子もまた映像で公開されたのだ。陸上ばかりではない。このトーポリMは潜水艦に搭載して発射することも可能だ。まさに神出鬼没のトーポリMにアメリカをはじめとする国際社会の懸念が増しているのだ。

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