「7つの丘の町は崩壊し、恐るべき審判が人々に下る」聖マラキの予言が示すローマ崩壊

■マラキの予言

 中世の大司教、聖マラキによって記された『聖マラキ書』。これは、1143年に就任した165代ローマ教皇ケレスティヌス2世以降の、対立教皇10人を含む111人(または112人かそれ以上)の歴代教皇についての予言が記されている。

【予言はことごとく的中】

●ケレスティヌス2世については、「ティベリウスの城より」と予言。
→ケレスティヌス2世の出身地は、テベレ川沿いにある城の市に生まれている。

●グレゴリウス16世については、「エトルリアの浴場から」と予言。
→グレゴリウス16世が属していた教会は、イタリア北西部のエトルリアのバルネオという地にあった。バルネオは「浴場」という意味である。

 予言は、教皇のことだけではなく、世界的な事件も暗示している。

●ピウス7世については、「強欲な鷲」と予言
→予言通り、ピウス7世在位の時代はナポレオンが猛威を振るっていた。ナポレオンの紋章は「鷹」である。

●聖ピウス10世ついては、「焼けつく火」と予言。
→予言通り、聖ピウス10世在位の時代は、第一次世界大戦が勃発し、ツングースカ大爆発も起こった。

 そして、111番目の予言は、前教皇ベネディクト16世であった。マラキの予言には、「オリーブの栄光」と記されている。教皇としての名前「ベネディクト」は、カトリック最古の修道会ベネディクトから由来しており、そのシンボルは「オリーブ」だった。

 そして、この「マラキの予言」記された最後の112番目の予言にあたるのが、現教皇フランシスコなのである。


■ラスト教皇の予言

 「聖マラキの予言」は短いワンセンテンスで記されているものがほとんどだが、最後の予言はなぜか長文である。

「ローマ聖庁が極限の迫害の中で、ローマ人ペトロが着座する。彼はさまざまな苦難の中、多くの子羊を司牧する。そして、7つの丘の町は崩壊し、恐るべき審判が人々に下る。終わり」

 マラキの予言に沿えば、教皇フランシスコが最後の教皇となる。だが、教皇フランシスコはアルゼンチン出身で、ローマ人でもなければ、ペトロという名前でもない。最期にして予言が外れたのだ……。と思いたいのだが、ここでもう一度、聖フランシスコに話題を戻そう。

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