「2050年、人類は遂に永遠の命を手に入れる!」 恐るべきホモ超越の内容とは?
■進化
では、「死」という概念はどうなるのだろうか? 博士は次のように述べている。
「もっとも私が期待しているのは、もはや自然に従った進化の道を歩む必要がなくなるということです。我々の必要に応じて変化していくことができるというのは実に画期的なことなのです」、と人類の変化が将来ホモ・サピエンスと違った道を進むことに期待しているようだ。
ピアソン博士は皮膚組織の中に金樹脂でできた非常に薄い人工皮膚を埋め込むことでさまざまなことが可能になるとしている。以下の図とともに博士のアイデアを紹介しよう。
・脳と外部装置をワイヤレスでつなぐインタラクション
・入れ替え自由な歯 ー ナノテクノロジーによって健康状態が常にモニタリングされ、自己修復可能を可能とし、内側から私たちの体をサポートする
・糖尿病患者のための自動でインスリンを投与する多機能健康モニター
・電気的に筋肉を補助するタイツ ー 厚さ1cmウェアラブル高分子ゲルによって脚の筋力を後押しする
・美容のために最適化された皮膚 ー 皮膚の表面に交換可能な膜を取り付けることで、シミ・そばかすといった問題から開放され、メイクアップという言葉すら死語になるだろう
「これらの技術を応用して、顔のかわりにディスプレイモニターから映像を流すことでコミュニケーションをとったりと考えられる技術の広がりは無限大です。唯一制約があるとしたら、我々の想像力だけでしょう」(博士)
博士は、脳とコンピューターが完全に相互リンクすることでアンドロイドの体を自由に動かすことができると考えている。
また自分の情報をアップロードすることができることは同様に、他人の情報をダウンロードできることになり、学習なしに様々なスキルを瞬時に習得することができるようになる。今まで話したことのない言語もすぐにペラペラと話せ、教習所に行かなくてもF1ドライバー並みのテクニックさえも手に入るのだ。
2050年までにはこれらの技術は確立されるとするも、コスト面で誰しもがその恩恵を受けられるようになるには2070年まで待たなくてはならないとしている。今世紀末には、人間とコンピューターのハイブリッドや、アンドロイドの中に生きる人・・・と様々な在り方が実在することになる。
まさに「トランセンデンス」、夢のような話がより現実になりつつある。技術革新はムーアの法則が示すとおり加速を続ける今、半世紀後には今はありえないと思っていたことが実現することも十分に起こりえる。不死の体を手に入れた後、人類は自ら「死」というものを作り出さなくてはならなくなるのかもしれない。
(アナザー茂)
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