秋葉原通り魔事件犯人の作品も…! 日本の死刑囚の絵画展開催者に聞く「絵の特徴や制作環境」
――林眞須美さんの作品は目立つ感じがするんですが、ここら辺も新作でしょうか?
櫛野「そうですね。『死刑』も『真須美』も新作です。林眞須美さんのケースは本当に象徴的で、最初の頃は絵だけだったのに、絵に文章も加わるようになったり、すごいミニマルな絵を描いてみたり、絵のスタイルがどんどん変化していくんです。死刑囚にとって、この作品が社会に対して何かを訴えることが出来る唯一のチャンスなので、一枚の絵に自分の思いをすごい託しているんです。そこに、アートの根源的な力みたいなものを強く感じるんですよね」
――もともと死刑囚の作品展をやろうと思ったきっかけは何でしょうか?
櫛野「2012年に広島のカフェ・テアトロ・アビエルトという小さなギャラリーで『死刑囚の絵展』を見たことがきっかけです。死刑囚の絵といったら、世間一般でいう懺悔のような仏画やキリスト画を描くんだろうと、勝手な思い込みがあったんですが、見事に裏切られました。僕の持っていたイメージを崩されたので、もっと多くの人に観てもらいたいと思って、今に至る感じですね」
――前回の『極限芸術』の反響はどのような感じだったのしょうか?
櫛野「2013年の『極限芸術』は、鞆の津ミュージアム開館以来、一番の来館者数でした。会期3か月で5千人を超えるお客さんにご来館いただき、反響も大きかったんです。また、多くの人たちが死刑制度について考えるきっかけにもなりました。去る3月25日、二人の方の死刑が執行されたんですけど、そういうとき、以前の展示を観ている方が敏感に反応されたこともあります」
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