TPP開始で猛毒“殺人ヒアリ”が日本侵入の危機? 生態学者・五箇公一が語る「危険な外来種と昆虫宇宙起源説の真相」
——恐竜の時代には大きなトンボとかがいたとか。にもかかわらず小型化したのはなぜでしょうか? 進化とは巨大化していくことではないのですか?
五箇 古生代石炭紀には幅70センチほどのトンボの仲間(メガネウラ)がいました。石炭紀にはその他アースロプレウラという体長が2メートルを超える巨大なヤスデも生息していました。そうした巨大な昆虫類は古い時代にのみ生息し、それ以降小型化が進んで今のサイズに落ち着いている。なぜ小さくなったのか? 酸素濃度や温度という説もありますが、一番はほかに大きな生き物がいなかったからです。虫たちは地球上で大いばりできた。しかし、両生類、は虫類、そして鳥類が出てくると、それらが天敵となってデカい昆虫をバクバクと食べ始める。すると昆虫にとっては大きいこと自体が不利になってくる。外甲殻の生物は大きいと動きが鈍くなります。重い体を支える筋肉は体の中にしかつけられないんです。素早く動いて天敵の捕食から逃げるために昆虫は小型化の進化を選んだ可能性が高いとされています。
——とはいえ、殺され続けても大きくなる昆虫のひとつにゴキブリが挙げられると思います。先日も、台所で10センチぐらいのゴキブリを見たんですが……。温暖化で巨大化しているんですか?
五箇 昆虫自体は幼虫期にどれだけ餌を食べるかで体の大きさが決まります。成虫になって食べても大きくなれない。だから、幼虫のころに栄養状態がいい家なんじゃないですか。見た目は10センチあっても多分6センチもないぐらいかと思います。虫は生きているのを見ると大きく見えるんです。UMAの大蛇とかもそうですが、5、6メートルほどのヘビを近くで見ると10メートルに見えると思います。本当に10センチあって捕まえたら持って来てください。でも、オーストラリアには実際に大きなゴキブリもいますよ。ヨロイモグラゴキブリは姿、形も違って羽も短くダンゴムシみたいな形です。熱帯ジャングルで隠れられて餌が豊富だと虫も大きくなります。虫同士の競争もあり、デカくないと生き残れない。しかしあまり大きくなるとサルや鳥などに食べられてしまうので、10〜20センチぐらいが最大サイズですね。
——30センチ近くある小型犬サイズのクモも南米で発見されていましたね。
五箇 脚を広げるとそのサイズはいますね。ルブロンオオツチグモ、別名バード・イーター。小鳥やネズミを捕食することもあります。でかいクモももっと大きな鳥に食われるんで弱肉強食の世界ですね。
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