150年前にジャック・ダニエルにウイスキーの作り方を教えたのは黒人の奴隷だったことが判明
2016.07.09 14:00
テネシー・ウイスキーの有名ブランドである「ジャック・ダニエル」社は、今年で創立150周年になる。「ジャック・ダニエル」は、このウイスキー・メーカーの創始者だという事は広く知られている。そして会社HPにも掲載されている公式ストーリーでは、このウイスキーのレシピは蒸留所のオーナーだったダン・コールという牧師が、若きジャック・ダニエルに教えたことになっている。
しかし実はこの公式ストーリーには隠された事実があることが、最近明らかにされた。レシピをジャック・ダニエルに教えたのはコールではなく、黒人奴隷のニアリス・グリーンだったのだ。創立150年の今年、ジャック・ダニエル社はこの事実を公に認めた。
奴隷であったグリーンの息子(赤丸、左)とその隣に座るジャック・ダニエル(赤丸、右)。グリーンの息子は父親からウイスキー作りの技術を教えられていた。またこの時代に黒人奴隷が創業者の隣りに座る事は珍しく、たいがいは最後列であった。 「Daily Mail」の記事より
■炭によって不純物を除去する技術が奴隷を通じてもたらされた
米国では1640年度から1865年まで奴隷制度は合法化されており、アフリカ人とその子孫が白人に所有されていた。しかし、その悪名高い奴隷制度も1865年の米国合衆国憲法修正第13条成立によって終わりを迎えた。
この事実は長い間、世間から隠されてきたが1967年に書かれたジャック・ダニエルの伝記には、「アンクル・ニアリス(グリーンのあだ名)は私が知る中で最も優れたウイスキー作りだ」と言うコールの発言が記載されている。
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