次は我々が滅亡する? NASA資金提供の“滅亡論文”に書かれた驚くべき「文明崩壊」のシナリオ
歴史を振り返ると、かつて他を圧倒する強大な力を持ち栄華を誇りながら、あっという間に衰退してしまったり、あるいは滅亡してしまった文明や国家が多数存在する。ローマ帝国や漢、メソポタミア文明、そして古代マヤ文明は何故滅んでしまったのだろうか? そして我々もまた滅びゆく運命から逃れることはできないのだろうか……。
■我々の文明は今後数十年で終焉を迎える
NASAのゴダード宇宙飛行センター(GSFC)が一部資金を提供している、数学者や自然・社会科学者を中心とした学際的な研究チームが文明滅亡の問いに迫った。滅亡した30もの文明の滅亡原因を分析・分類し、研究成果をまとめた論文『Human and Nature Dynamics』によると、残念ながら我々の文明は今後数十年で終焉を迎える可能性が高いようだ。
アメリカ国立社会環境総合センター(SESYNC)の数学者、サファ・モテシャレイを中心とするこの研究チームは、近年関心が高まっている人口と資源利用の持続可能性に着目し、自然界の捕食者(オオカミ)と被食者(ウサギ)の個体数の相関関係のモデルを応用し、文明の滅亡について分析した。いずれ地球上の資源は枯渇すると指摘されることがあるが、現代の複雑かつ高度に発達した工業型の文明が崩壊することは、どの程度現実に起こり得るのだろうか、という疑問がこの研究の出発点である。
ここで言う人口と資源利用に関する持続可能性とはどういうことなのだろうか。彼らによると、人類の進歩を概観するとひとつの方向性が見えてくる。それは常により高次元な社会・政治・経済機能を目指すもので、よりハイレベルなテクノロジーが支える人口の増大がそれを可能にしてきた。
そしてこれらのことは全て、物質・エネルギー・情報量の増大に支えられてきた。しかし、より高みを目指す人類の方向性、上昇志向こそが、皮肉にも文明や国家を崩壊に導いてきたのである。なぜなら人類が活用できる資源には限界があるからである。
■資源の枯渇と貧富の格差拡大が滅亡の2大要因
『Human and Nature Dynamics』で取り上げられている文明の中でも古代マヤは、驚くほど高度な技術の存在が確認されていて、宇宙人の関与が疑われている程である。古代マヤ人は、ヨーロッパなどの旧世界と接触する以前のアメリカ大陸では唯一文字を使用していた人々で、彼らは複雑な暦や数学を発達させ、巨大な神殿ピラミッドが林立する都市を築いていた。
さらに彼らは高度なゴムの加工技術を持ち、多様なゴム製品を作り出していたこともわかっている。鉄器を持たずに、高い技術力でジャングルに適応し隆盛を極めた古代マヤの多くの都市は、9世紀になると突然放棄されてしまった。9世紀以降、マヤの人口の90~99%が王と共に消え、政治機関や文化も消失してしまったという。古代マヤ文明の突然の崩壊についてはさまざまな説が唱えられいるが、依然として多くが謎に包まれている。
さて、『Human and Nature Dynamics』によると、古代マヤ文明をはじめ、ローマ帝国、漢、マウリヤ朝、グプタ朝、メソポタミア文明などの存在は、先進的で洗練され、複雑で創造的な文明がいかにもろく、永久でないかという事実を示す証拠であるそうだ。そして、人口、気象、農業、資源といった諸要因が絡み合い、ある2つの社会的な特徴を示した時、これらの文明は崩壊してしまった。それが「使い過ぎによる資源の枯渇」と「社会の階層化(貧富の差の拡大)」だ。過去5千年にわたって、この2つの社会現象が全ての文明崩壊で主たる役割を演じてきた。
論文によると、大衆が生み出す富は、少数のエリートにコントロールされ、大衆に公平に分配されることはなく、たいていの人々は生きるのにやっとの富しか分配されないという。そして、テクノロジーの進歩により資源の利用効率が上がったとしても、資源問題の解決にはならないのだそうだ。
利用効率が高まった分、一人当りの資源消費量が増えるだけで、資源の減少率は変わらないのだそうだ。これらの点から、現代文明の崩壊は避けられないようだ。なんとも絶望的な展開だが、彼らが描いた現代文明崩壊のシナリオの一例を見てみよう。
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2024.10.02 20:00心霊次は我々が滅亡する? NASA資金提供の“滅亡論文”に書かれた驚くべき「文明崩壊」のシナリオのページです。マヤ、NASA、文明、ローマ、坂井学などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで