JOMON TRIBE © TAKU OSHIMA & RYOICHI KEROPPY MAEDA
そのことから、私たちは『縄文族』を日本における「モダン・プリミティブズ(現代の原始人)」の実践として、21世紀に見合った身体のアップデートを縄文文様のパワーを借りて行ってみようと思ったのである。そして、『縄文族』は、過去の縄文文化の復興であると同時に、未来に開かれたボディアートの可能性を追求していこうというものなのである。さらには、素晴らしい伝統刺青を残す日本において、太古に失われたタトゥー文化があったとするならば、ぜひともそれを復興して欲しいという世界的な要望が高まっているのも事実である。
約一万年前の文様から創造する縄文タトゥーの世界。そこに映し出されるビジョンは単に過去を再現するということに留まらず、現代人の身体を用いて、縄文文様をさらに未来の一万年後にまで届けようという野心的な挑戦なのである。
ぜひ、縄文タトゥーが蘇る現場に立ち会って欲しい!!
(文=ケロッピー前田)
■作家プロフィール
ケロッピー前田・keroppymaeda.com
1965年東京生まれ、千葉大学工学部卒、白夜書房(コアマガジン)を経てフリーランスに。世界のアンダーグラウンドカルチャーを現場レポート、若者向けカルチャー誌『ブブカ』『バースト』『タトゥー・バースト』(ともに白夜書房/コアマガジン)などで活躍し、海外の身体改造の最前線を日本に紹介してきた。前田亮一『今を生き抜くための70年代オカルト』(光文社新書)が話題に。新刊『クレイジートリップ』(三才ブックス)。05年以来、写真家、アーティスト、キュレーターとして国内外で作品展示を行う。14年より学校形式のアートイベント「オキュパイ・スクール」を主宰。NPOヒューマンビーイングクラブ理事。『CRAZY TRIP ~今を生き抜くための“最果て”世界の旅~』
大島 托・www.apocaript.com
1993年に世界一周の夢を抱き、最初に訪れたインドでタトゥーと出会い、その後にプロの彫師となる。黒一色の文様を刻むトライバル・タトゥーおよびブラックワークを専門とし、世界各地に残る民族タトゥーを現地に赴いてリサーチし、現代的なタトゥーデザインに取り入れている。
■展覧会info
大島 托 × ケロッピー前田
『縄文族 JOMON TRIBE』
2016年9月16日(金)~9月27日(火)
TAV GALLERY
東京都杉並区阿佐谷北1-31-2
03-3330-6881
13:00~20:00
・http://tavgallery.com/jomontribe/
9月27日(火)18:00 – 20:00 アーティスト&ゲストトーク:(1000円ワンドリンク)
大島 托、ケロッピー前田 ゲスト:ヴェルナー・ロルケ(写真家、HfGオッフェンバッハ・アム・マイン校教授、フランクフルトRMZギャラリー主宰)、ジョン・スカットリン(博士号取得候補者、香港中文大学大学院日本研究学科)、川崎美穂(TATTOO BURST元編集長
■展覧会ステートメント
『縄文族』とは、タトゥーアーティストの大島托とフォトグラファーのケロッピー前田によるアートプロジェクトである。このプロジェクトは縄文の文様を抽出し、現代的なタトゥーデザインとして身体に刻むことで、人類の原始的な精神が、21世紀を生き抜くためのアイデンティティとなり得ることを示している。そして、これは日本における「モダン・プリミティブズ(現代の原始人)」の実践である。
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