現代のサムライ、阿部一刀斎師範が語る「怪現象を引き起こす刀の存在」と「心霊体験」

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――そういう撃退法があるのでしょうか? その素振りにはどんな意味があるのですか?

阿部 恐らく、新たな所有者がどんな人物か見ているんだと思います。金目的の商人なのか侍なのか、といったことを詳しく見ているのだと思います。私の素振りや抜刀術を見れば、剣士のそれだということがわかりますので、安心してもらうためにしました。特に私の抜刀は剣道などと違い、斬るための振り方ですので、よりそのお侍さんが戦っていた時代の形に近いのです。そういったこともあってか、落ち着いてもらえました。

――本物の侍からお墨付きをもらったということでしょうか。その後は何事もないのですか?

阿部 その後は姿を現すことはなくなりました。それどころか、私の家は目の前に神社があることもあって、よく幽霊が出ましたが、それからは一切出なくなりました。

――それは、その侍が守護してくれているということですね!? 怖い目に遭うどころか味方にしてしまったと……。その侍は、この世に思いを残すような無残な死に方をしたのでしょうかね?

阿部 幽霊が出るといわれる古い屋敷やホテルなんかに行く時も、この刀を持っていると全く出ないので守護してくれているんだと思います。話したことはないので、彼が戦いに負けたのかはわかりませんが、恐らく違うと思います。この刀の“棟(むね)”の部分には、命を懸けて戦い、勝った証しである誉傷(ほまれきず)があるんです。時代劇などで、刃と刃をぶつけて戦うシーンがありますが、実際は刃の側面の“鎬(しのぎ)”や“棟”と呼ばれる部分で打ち払います。日本人は縁起を大事にするので、基本的に縁起の悪い物は残しません。なので、ご先祖様の命を守った刀として代々大切に引き継がれてきたはずです。戦時中の金属の供出にも出されなかったわけですから。それが何故売りに出されたかは分かりませんが、曰くのある刀だという噂は聞いていました。それが私のところで落ち着いたのです。

――自分が命を懸けて戦った刀が家から放出され、さらに納得のいかない者に所有され荒ぶっていたところ、ようやく理想的な剣の使い手のもとに渡り安心したというところでしょうか。続いて、二振り目の妖刀についてお聞かせください。

阿部 二振り目が赤い鞘に収められている刀で、「興亜一心満鉄刀」と呼ばれる軍刀です。これは、戦時中に中国大陸で日本の兵隊に持たせるために作られた物です。この刀は状態がいいのに刀屋で非常に安く売られていました。こういう訳ありの刀は安いのでよく売れますが、すぐ刀屋に戻ってくるんですよ。

――何か恐ろしいことがあって、すぐ手放してしまうんですね?

阿部 はい、いわくつきだという話も聞いていたのですが、これも欲しくなって買いました。そうしたら、これも買ったその日に出ましたね。

――またしても初日に現れたんですね!? どのような方だったのでしょうか?

阿部 「千手院国永」の時と違ってシルエットだったのですが、若い女性と子供が見えました。私は「興亜一心満鉄刀」についての知識がありましたので、この刀は中国の若い女性と子供に対して使用された、と直感しました。そこで、その若い女性と子供を供養しようと思い、ずっと持っているんです。

――戦って敗れたわけではない、戦争に巻き込まれた一般市民の怒りや無念の思いが刀に宿っていたということですね。どのように供養しているのですか?

阿部 武器を持たない女性や子供に対する攻撃は暴力以外の何物でもないので、私としては許し難いんです。供養と同時に、自分に対する戒めという意味もあって、大切にしています。普段は、ラインストーンを貼った鞘に収めて、私の家の不動明王の仏像の前に静かに置いてあります。私なりに考えたのですが、若い女性と子供が好んでくれそうなキラキラした鞘を知り合いのネイリストに作ってもらったんです。

――少しでも、刀に対する嫌な記憶を忘れてもらおうということですね。その後は、女性と子供は出ないのでしょうか?

阿部 鞘を気に入ってもらえたのか、その後は出なかったんですが……。実はこの刀、私が持っている刀の中で一番切れ味がいいんです。なので、この取材の話を聞いて久しぶりにこの刀で斬ってるところを、お見せしようと思い立ったんです。すると、1週間ほど前と昨晩、夢に女性と子供が出てきました。やはり、見せ物に使うべきではないと思いますので、今日は使用しません。

――先週、夢に出たという連絡を阿部さんからいただいた時は驚きましたが、昨晩も出たんですね。それはやめた方がよさそうです。ところで、この刀の切れ味がいいということですが、軍刀は一般的に切れ味がいいものなのでしょうか?

阿部 種類による違いはありますが、軍刀は切れ味もいいですし、折れにくく、曲がりにくい。これまでに培われた日本刀に関するノウハウや技術を詰め込んで、工場で大量に作られました。したがって、鍛冶職人さんが一本ずつ神に祈りながら作るようには、作られていません。なので、軍刀は人を殺すためだけに作られた、あくまで製品だと私は考えています。本来の神が宿った日本刀は人を殺すこともあるというだけで、決してそのためだけには作られていない。人を殺めうる刀を、いかに抜かないかが武士道の本質です。

――戦時中、日本刀はどの程度実戦で使用されていたのですか? 鉄砲どころか戦車や飛行機も使用された近代戦争では、いくら剣術の達人といえども厳しいと思うのですが。

阿部 理屈で考えれば無理ですけど、使用されていました。当時武術が流行っておらず、廃れつつある自分の流派を復興させたい、と考える武芸者がいっぱいいて、気合いや精神力でどうにかなると本気で考えていたわけです。第一次大戦と第二次大戦で師範や師範代クラスの武術の達人が、自分の技を試そうと最前線に行って、大量に殺されました。残念ですが、刀を立身出世のための道具に使おうとした罰が当たったのではないか思います。

 刀は人を殺めうる武器である。実際に人を殺めた過去を持つ刀に取り憑いた、死者の思いや怨念にまつわる阿部一刀斎師範の実体験は、刀の持つ危うい側面を強く再認識させてくれる。続くインタビュー第3回では、流派を立ち上げるまでにどのような人生を歩んでこられたのか、そして“現代の侍”の今後のビジョンが語られる!
(取材・文=坂井学)

・阿部派一刀流 公式Facebookアドレス
・YouTubeアドレス https://www.youtube.com/channel/UCEdTLZaCcumUN9kg6q5HT-Q
・ふるさとチョイス http://www.furusato-tax.jp/japan/prefecture/item_detail/06201/212095
じゃらん 

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