“人間蒸し焼き”儀式で信者の目の前で絶命した道教尊師の悲劇… 心身と魂の浄化に失敗

“人間蒸し焼き”にされても死なない不死身の尊師が遂に命を落とした――。“蒸し焼き”中に心臓発作を起こして神通力が失われ文字通り蒸し焼きになってしまったのだ。
■道教尊師“人間蒸し焼き”の悲劇
2017年10月、マレーシアの寺院で開かれた恒例の奇祭「九皇大帝祭」で、道教の道士(68)が火を焚いた中華鍋の上に座り巨大な金属製の円筒の蓋を被せるという通称“人間蒸し焼き”の儀式で、“心身と魂の浄化” をしようとして失敗! そのまま“蒸し焼き”になって死亡する事故が起きた。
当時68歳の道教の尊師、リム・パ氏は、マレーシアの中国寺院で行われた祭りで、“人間蒸し焼き”スタントを披露する手筈となっていた。
パ氏は道教の霊媒師として知られ、道教と調和した生き方を推奨する伝統的な中国の宗教を信奉していた。さらに彼はこのような儀式は信者を引き付け、演者の肉体的な忍耐力を示すために行われるだと説明し、これまでに何度も披露していた。
周囲からは何度も止めるよう忠告されていたにもかかわらず、パ氏は10年以上も“人間蒸し焼き”スタントを続けており、一度は75分間も蒸されたこともあった。
この日も米、スイートコーン、ベジタリアンパンなどの食べ物が盛られた大きな中華鍋の上の木の板に座ったパ氏が“人間蒸し焼き”になることがアナウンスされた。鍋の下には火が点けられ、大きな金属製の円筒の蓋でパ氏の身体は覆われた。
過去に蒸し時間「75分」という大記録を打ち立てたパ氏だったが、今回は開始30分でギブアップし、鍋の中からノックして自らの“窮状” を周囲の信者らに伝えた。
異変に気付いた周囲の者が急いでカバーを外してみると、パ氏は意識を失っていた。“人間蒸し焼き”中にパ氏が心臓発作を起こしたことが後に判明している。
人々が彼を救おうと必死になる中、パ氏は横たわったまま痙攣し腕を振り上げ続けていた。

パ氏は救急隊員によって現場で死亡が確認された。末息子のカン・ファイさん(当時32歳)がその時の様子を英紙「Mirror」に話している。
ファイさんは父親が高血圧の薬を服用しており、昨年には心臓バイパス手術を受けていたと説明し「救急車が到着した時には、父は呼吸が止まっていました」と語る。
「母のチョン・シウ・ホン、姉妹たちと私はとても悲しんでいます。私たちの明るい父は永遠に私たちのもとを去ってしまいました」(ファイさん)
パ氏の娘ウェイ・リンさん(当時37歳)は、父親がスタントに向かう途中、暑さに文句を言い、食欲がなくなったと話したと振り返る。
マレーシア道教協会連合会(FTAM)のタン・ホー・チョーウ会長は、“人間蒸し焼き”のようなタイプの儀式は実際には主流の道教の儀式の一部ではなく、むしろ法術のパフォーマンスに近いものだと述べた。
心臓に疾患を抱えていながらも恒例の“人間蒸し焼き”のスタントを止めることができなかったパ氏は、もしこの年に無事だったとしても、こうした結果になることは定めであったようにも思える。宗教家としての自身の価値を高める意図があることは理解できるものの、非科学的な無謀な試みは厳に慎みたいものである。
参考:「Express」ほか
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