世界で最も有名な心霊写真の一つ「クイーンズランドの赤ちゃんの幽霊」墓の前に座る“謎の赤ちゃん”の正体とは

亡き娘の墓石の前に、ちょこんと座る一人の赤ちゃん。しかし、シャッターが切られた瞬間、そこには誰もいなかったはずだった――。
1946年、オーストラリアで撮影されたこの一枚の写真は、「クイーンズランドの赤ちゃんの幽霊」として世界中に知られることとなった。これは本物の心霊写真なのか、それともカメラが捉えた偶然の産物なのか。70年以上語り継がれる、この奇妙なミステリーの真相に迫る。
誰もいないはずの墓の前に…
1946年、メアリー・アンドリュースという女性は、オーストラリア・クイーンズランド州の墓地を訪れていた。目的は、1945年に17歳で亡くなった娘ジョイスと、1942年に戦死した息子セシルの眠る墓を写真に収めるためだった。
彼女は、誰もいないことを確認し、静かにシャッターを切った。しかし、後日、現像された写真を見て、彼女は言葉を失う。
写真には、娘の墓石の横に座り、まっすぐにこちらを見つめる、見知らぬ赤ちゃんの姿がはっきりと写り込んでいたのだ。
幽霊の正体をめぐる3つの説
この驚くべき写真は、瞬く間に「子供の幽霊を捉えた心霊写真だ」と話題になり、その正体をめぐって様々な憶測が飛び交った。
1. 亡き娘の霊魂説
一部の人々は、この赤ちゃんは、亡くなった娘のジョイスが、母親に会いに来た姿ではないかと考えた。
2. 近くに眠る子供の霊魂説
1990年代、超常現象研究家のトニー・ヒーリーが現地調査を行った結果、アンドリュース家の墓のすぐ近くに、2人の子供の墓があることを発見した。彼は、写真に写ったのは、この子供たちのどちらかの霊魂である可能性を指摘している。
3. 二重露光説
一方で、懐疑的な人々は、これをカメラの「二重露光」によるものだと主張する。当時のフィルムカメラでは、一枚のフィルムに誤って二つの異なる像が重なって写り込んでしまうことがあった。写真には、赤ちゃんの近くに腕のようなものが見えることから、これが別の写真と重なった結果だというのだ。
残された謎と、消えぬミステリー
この物語の信憑性には、いくつかの疑問点も残されている。
写真に写る墓石のデザインが、1948年以降のものである可能性が指摘されており、撮影年とされる1946年との間に矛盾が生じている。また、この事件に関する直接的な一次資料が存在せず、その起源が曖昧であることも、謎を深める一因となっている。
技術が発達した現代と違い、当時は写真の偽造ははるかに困難だった。しかし、古い時代の事件であるからこそ、一定の懐疑心を持って臨む必要があるだろう。
果たして、メアリー・アンドリュースが捉えたのは、亡き娘の魂だったのか、それとも単なるカメラのいたずらだったのか。真実は、写真の中の赤ちゃんだけが知っているのかもしれない。
参考:Mysterium Incognita、ほか
※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊世界で最も有名な心霊写真の一つ「クイーンズランドの赤ちゃんの幽霊」墓の前に座る“謎の赤ちゃん”の正体とはのページです。オーストラリア、墓地などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで