午前2時半、誰もいない大聖堂に鳴り響く「9回のノック」! 天才オルガン奏者が激撮した、扉の向こうに潜む“招かれざる客”の正体

真夜中の静まり返った大聖堂。パイプオルガンの重厚な音色だけが響く中、もし突然「扉を叩く音」が聞こえてきたら、あなたはどうするだろうか。
イギリスを代表するオルガン奏者、アンナ・ラプウッド氏がノルウェーの大聖堂で体験した、背筋も凍るような出来事がSNSで大きな話題を呼んでいる。彼女がTikTokに投稿した動画には、午前2時半、誰もいないはずの大聖堂に鳴り響く不気味なノックの音が記録されていたのだ。
静寂を切り裂く「9回の打音」
アンナ氏は、ロイヤル・アルバート・ホールの専属オルガニストも務める超一流の音楽家だ。彼女は次回のアルバム録音のため、ノルウェーにある歴史的な大聖堂で深夜の練習を行っていた。
動画はアンナ氏の視点で撮影されている。広大な聖堂の内部を映し出し、カメラが大きな扉に向いたその瞬間、「ドンドンドンドンドン……」と、力強い9回のノック音が聖堂内に反響した。
@annalapwoodorgan My heart was RACING. This was after they had tried the door about 4 times – it’s scary because you know they know you’re in there because the organ sounds very loud from outside…! Heart rate has just about returned to normal… #organtok #pipeorgan #nidarosdomen #trondheim #overnightrehearsal ♬ original sound – Anna Lapwood | Organist
「皆さん、あなたのことは愛していますが、真夜中にこんなことはしないでください。本当に怖いんです」
カメラに映るアンナ氏の表情は強張り、明らかに動揺しているのが分かる。さらにその後、重い扉の取っ手をガチャガチャと回すような、鈍い金属音まで聞こえてきたのだ。密閉された空間で「誰かが入ろうとしている」という状況は、ホラー映画よりも生々しい恐怖を感じさせる。
深夜に「爆音」で練習する理由
動画の公開後、ネット上では「夜中にオルガンを弾くなんて近所迷惑だ。だから怒られたのでは?」という批判的なコメントも相次いだ。しかし、アンナ氏は冷静に反論している。
実は、大聖堂などの歴史的建造物において、オルガニストが深夜に練習するのは「業界の常識」なのだ。
・日中は礼拝や観光客がいるため、音作りができない。
・録音作業には一切の雑音を排除した静寂が必要。
・ルール:大聖堂側からも「午後11時から翌朝8時まで」という専用の練習枠が与えられている。
実際にアンナ氏が大聖堂の外で撮影した検証動画では、フルボリュームで弾いていても外にはかすかな音しか漏れていなかった。さらに近隣の民家まではかなりの距離があり、騒音トラブルとは考えにくい状況だったのだ。
「お迎え」か、単なる酔っ払いか
結局、あのノックの正体は何だったのか。
現地のベテラン奏者によれば、こうした深夜のノックは「よくあること」なのだという。その正体は、多くの場合、夜遊び帰りで少しお酒の入った地元住民たちが、聖堂から漏れる音に惹かれて「開けてくれ」とイタズラをするケースがほとんどだそうだ。
日本では古くから、神社仏閣で深夜に物音がするのは「神仏の使い」や「霊的なお迎え」として恐れられることがあるが、ノルウェーの酔っ払いたちも、ある意味で「音に誘われた異界の住人」のような不気味さを持っている。

真実は「閉ざされた扉」の向こうに
アンナ氏はその後、無事に練習を終え、「大聖堂で演奏できる喜びは、何物にも代えがたい」と語っている。万が一のために非常ボタンも完備されており、安全性は保たれているというが、それでも一人きりの深夜、誰もいないはずの場所からノックが聞こえる恐怖は想像を絶する。
一見すると心霊現象のようにも見える今回の騒動。だが、最も不気味なのは、幽霊そのものよりも、深夜の静寂の中で「誰かがそこにいる」ことを確信しながら、ただ扉の向こうで沈黙を守り続ける瞬間なのかもしれない。
次にあなたが深夜の古い建物の前を通りかかったとき、中から美しい音楽が聞こえてきても、決して扉を叩いてはいけない。中にいる奏者にとって、あなたは「この世のものとは思えない恐怖」そのものなのだから。
参考:Daily Star、ほか
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