ミイラ化した青い肌のカルト指導者… コロイド銀に蝕まれた“母なる神”の奇怪な最期

カルト指導者の“母なる神”がミイラ化した遺体で見つかった――。彼女は全人類の苦しみを一身に引き受けて5次元へと“アセンション”したというのだが……。
■女性カルト指導者のミイラ化遺体を発見
カルトグループ「ラブ・ハズ・ウォン(Love Has Won)」の指導者、エイミー・カールソンのひどく腐敗した遺体は、2021年に、クリスマスの電飾で飾られた寝袋に包まれた状態で教団拠点のベッドの上で発見された。
彼女の遺体がひどい状態であったため、当局は彼女の身元を確認するために歯科記録に頼らざるを得なかったが、彼女の変わり果てた状態にもかかわらず、彼女の忠実な信者たちはほとんど気にしていなかった。
メンバーらは彼女は死んだのではなく、5次元世界に“アセンション(昇天)”したと信じ、彼女が亡くなる前の体調不良は、人類の苦しみと世界の負のエネルギーを彼女がすべて引き受けたためだと主張した。
後にカールソンの死は彼女が地球の問題を自分の問題として受け入れて自らの死を迎えたのではなく、自ら招いた多くの要因が影響していたことが明らかになった。
エイミー・カールソンは2007年に夫と別れ、子供たちを捨て、マクドナルドでの仕事を辞めた後、「ラブ・ハズ・ウォン」のリーダーになった。
アメリス・ホワイトイーグルという男が、彼女を「霊的存在」であると断定したことで、彼女は彼と一緒にコロラドに移り、宗教運動を率いることになった。
彼女は、自分は「母なる神」として知られる神の534番目の化身であり、信者たちを「3次元の世界」から「より高次の5次元の世界」へと導くのだと主張した。
カールソンは過去世ではクレオパトラ、イエス・キリスト、ジャンヌ・ダルク、ハリエット・タブマン、ヘレナ・ブラヴァツキー、マリリン・モンローだったと主張し、それぞれの人生の詳細を全て覚えていると主張した。
カルト教団の指導者となったカールソンは、自分は神であり、奇跡を起こすことができ、単に「愛の力」を使うだけで癌患者を治すことさえできると主張した。
カールソンはまた、アルコールやマリファナは“薬”であると主張し、一方で「コロイド銀(colloidal silver)」などの商品やサプリメントを代替医療薬品として販売した。
科学的な傍証がないにもかかわらず、カルト指導者はコロイド銀を摂取すればほとんどどんな病気でも治せるのだと説明した。
コロイド銀は主にオンラインで栄養補助食品として宣伝されているものの、こうした主張を裏付ける証拠はほとんどない。
いずれにせよ、カールソンは銀が持つとされる治癒効果の恩恵を受けていると信じ、死に至るまで銀とアルコールを“主食”にして経口摂取していたのだ。
その結果、彼女の体重は23㎏以上減り、皮膚は青くなり始めた。
これは長年にわたりコロイド銀が体の組織に蓄積した結果であり、青灰色(せっかいしょく)の色合いが皮膚、目、臓器、爪、歯茎に現れる銀皮症と呼ばれる症状であるという。
米総合病院「メイヨー・クリニック」によれば、コロイド銀を過剰に摂取すると、腎臓障害や発作など、長期にわたる深刻な健康問題を引き起こす可能性があるという。
カールソンが最後に生きている姿が目撃されたのは2021年4月だが、健康状態が極めて悪く、腰から下が麻痺していたと伝えられている。

彼女はその後すぐに亡くなったが、ミイラ化した遺体は、誰かが警察に死亡を通報してから数カ月後に当局に発見された。
検死報告書では、カールソンはアルコール乱用、拒食症、そしてコロイド銀の慢性摂取による臓器不全が原因で45歳で亡くなったと判定された。
「ラブ・ハズ・ウォン」カルト教団のメンバー7名が死体遺棄の容疑で逮捕されたが、後に容疑は取り下げられている。
1960年代から70年代のヒッピー文化の隆盛時には、幾多のカルトグループが存在し、その一部は閉鎖的コミューンを築き社会問題化したが、少ないながらもこうしてカルトの命脈は今も連綿と続いている。社会的包摂への希求の行先がカルトに向かうことがないよう、その危険性について徹底した周知が求められているのだろう。
参考:「LADbible」ほか
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2024.10.02 20:00心霊ミイラ化した青い肌のカルト指導者… コロイド銀に蝕まれた“母なる神”の奇怪な最期のページです。アセンション、カルト、銀、ミイラ、死体遺棄などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで