食べただけで性器が壊死する!? 尋常じゃない痛みも1カ月続く…毒性キノコ「ドクササコ」の恐怖【ググっても出ない毒薬の手帳】
■サディスティック毒素の成分は?
ドクササコのこれらの症状はいくつかの成分によって複合的に起きているとされています。
その毒は、アクロメリン酸類、クリチジン、スチゾロビン酸などで構成されていますが、どれがどういった毒性を示すのかははっきりとは分かっていません。キノコ汁での中毒では汁を多く飲んでいる人ほど症状が重いため、いずれの成分も水溶性であるらしく、煮込んだ程度では分解しない毒素のようです。
クリチジンは血管を拡張したりするようですが、単品ではあまり大した毒性はありません。アクロメリン酸類は、数種類が確認されており、特に有毒なのがアクロメリン酸AとBとされています。
アクロメリン酸は、記憶喪失を引き起こす貝毒、ドウモイ酸と分子構造が似ており、ドウモイ酸と同じく特定の神経に集中してダメージを与えるようで、四肢の指先の神経に激痛と炎症をもたらすというわけのわからない作用をもっています。他の成分もこれらの毒性を増強ないしは、中枢神経毒性があり、これらの毒が相乗効果なり、特異な反応を起こして、凄まじい激痛を引き起こすようです。
ドクササコは地味なキノコで食べれるキノコに似ていますが、傷をつけると橙色の乳液があり、しばらくすると酸化して青緑色になるという特徴があります……が、同じ特徴を持つ食べれるキノコもあるので、なんともコレという特徴が無く、恐ろしいキノコといえます。
キノコを食べて数日後、関節の痛みやしびれを感じたらドクササコということで治療を受けましょう。幸い現在は、数日で疼痛を緩和する治療法が確立されており、地獄の苦しみは昔に比べてだいぶマシになっているようです。
(文=くられ)
●くられ
添加物を駆使した食欲の失せるカラフルな料理やら、露悪的で馬鹿げた実験を紹介していく、「アリエナイ理科ノ教科書」の著者、サイエンスライター。公演やテレビ出演なども多数。無料のメールマガジンも配信している。ひっそり大学で先生をしてたりもする。WEBや雑誌での薬と毒関連の連載をまとめた新刊『悪魔が教える 願いが叶う毒と薬』(三才ブックス)が好評発売中。
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