天才投資家ジョージ・ソロス2017年の予言! 偽ニュース増加、格差も拡大、崩壊の道へ
ソロス氏によれば現在のグローバル経済の中で富を握っているのは1%以下であり、その富を社会に還流させないことがますます“分断”を色濃くし“格差”を広げていくということだ。これが特に酷いのはヨーロッパであり、そこではドイツに問われる責任も大きいという。
■EUがソ連崩壊と同じ道をたどる
では実際に世界は今後どのような様相を見せるのか? ソロス氏はトランプ1人の登場だけでアメリカの民主主義が揺らぐものではないことを強調しているが、それでも今後は内政問題にかかりっきりになることは避けられないという。そしてアメリカは世界の民主主義を守る“世界の警察官”の役目を終えることになる。トランプは一種の“独裁者”として自分の支持者層を守ろうとするが、そこで犠牲になるのはマイノリティだ。
アメリカよりも心配なのはEUの命運だという。混迷を深めるヨーロッパに、ロシアのプーチン大統領の影響力が日増しに高まっているからだ。だが、ヨーロッパの不安定化はロシアにとっても深刻な懸念であり、2004年ウクライナのオレンジ革命のような“カラー革命”を引き起こすムーブメントを警戒している。
先の米大統領選の後、いわゆる“フェイクニュース”サイトやSNSなどを通じて、ロシア勢力がトランプを強力にバックアップしていたのではないかという疑惑が持ち上がっているが、ソロス氏によれば実際にロシア勢力の“工作”があったということだ。そしてこの“工作”が今年はヨーロッパに狙いを定めるという。
今年は重要な選挙がヨーロッパで相次ぐ。フランス大統領選のほかにも、ドイツ連邦議会選挙、オランダ下院選挙が決まっており、イタリアでは年内に解散総選挙とEU離脱を問う国民投票が行われる可能性があるという。そしてロシアはこれらの選挙に対して“情報戦”を強力に仕掛けていくというのだ。とはいえ、フランスはすでにルペンとフィヨンという右派の有力な次期大統領候補の2人がそろってプーチンに接近しているため、あえて“工作”を仕掛けるまでもなさそうだが……。
では最終的にどうなるのか? ソロス氏はEUをはじめとするヨーロッパ全体が、1990年代初頭のソ連崩壊と同じ道をたどることになると予測している。ということは、崩壊の深刻さはもちろん、再建にも相応の時間がかかることになるだろう。ちなみにソロス氏は、親しいビジネス仲間への新年の挨拶で「これからしばらくは今までのような商売はできませんよ」と告げているという。それでもチャレンジするという猛者には「トラブルだらけの世界の中ですが幸運を祈ります!」と励ましている。はたして2017年はソロス氏が言う通りのものになるのか。昨年に続き今年もまたいくつもの波乱が世界中で巻き起こるのかもしれない。
(文=仲田しんじ)
参考:「Express」、「Business Insider」、ほか
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2024.10.02 20:00心霊天才投資家ジョージ・ソロス2017年の予言! 偽ニュース増加、格差も拡大、崩壊の道へのページです。プーチン、仲田しんじ、ジョージ・ソロス、トランプ、EU、ブレグジットなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで