ピンチの中でも俯瞰する“もう1人の冷めた自分”の正体判明! 風俗店でくも膜下出血になった漫画家・中川学インタビュー
――ふーむ。その違和感が無くなる日が来ることを願っています。ちなみに現在、先生は漫画家というお仕事をされているわけですが、やっぱり〆切とかが厳しい生活だと思うんです。そういう時に以前と同じように逃げたくなったりはしないんですか?
中川 逃げたいという気持ちはありますけど、教師をやっていた時ぐらい逃げたくなるということはないですね。それはやっぱり、好きなことをやっているからだと思います。漫画を描くのは好きだし、話を作ったりするのが好きですから。だから留まっていられるのかなと思います。教師は向いてなかったし、そんなに好きという気持ちもありませんでしたからね。やっぱり辛くても、好きだったら我慢できるんだな、と。
――なるほど。今後、どういった漫画を描きたいとか、そういうビジョンってありますか?
中川 僕は今まで、コミックエッセイっていう形で、自分の体験を漫画にしてきたんですけど、フィクションも描きたいっていうのもありますね。
――目標とする漫画家さんはいたりされますか?
中川 さくらももこ先生とか。ちびまる子ちゃんは元々はエッセイ漫画で、途中からキャラクター漫画になったんですよね。あとつげ義春先生とか。つげさんは私小説漫画みたいな感じだから、エッセイに近いんですけど。あとはフィクションなら漫☆画太郎先生ですかね。
――確かに、先生のフィクションはその3人をミックスした感じになりそうですね! 淡々としながらもちょっとぶっ飛んでいるというか(笑)。是非読んでみたいです! 全然話は変わっちゃうんですけど、このトカナっていうのはオカルトを中心に扱うサイトでして。先生はそう言ったオカルト体験とかってされたことあります? もしくはくも膜下出血になった時、術後のせん妄とかでこんなのを見た、とかでもいいんですけど。
中川 オカルト…おばけみたいなのは見たことないですね。ただ、手術の後に運ばれた集中治療室はリアルに怖かったですけどね。窓もないから夜も昼もなくて、何時かわからなくて。ずらーっとベッドが並んでいるんですけど、生死の境を彷徨っている人ばかりで、家族を呼ばれている人とかもいて。あれは本当に怖かったです。
――確かにそっちの方がリアルに怖いですよね。最後に、この記事を見て、『くも漫。』の漫画や映画に興味を持つ方がいると思うんですけど、そんな方にお伝えしたい事とかございますでしょうか。
中川 主人公は、ダメな人間なんですよね。仕事を転々としたり、風俗に行ってくも膜下出血になったり。でも、そんな人間でもしぶとく生きていけますよ、という事が伝わればいいかな、と。映画の方は、前半笑えて、後半ちょっと泣けて、見終わった後に少しだけくも膜下出血に詳しくなれる、そんな作品です。是非劇場に足を運んでください。
※…くも膜下出血により、血液にさらされた脳血管が一時的に細くなる現象。くも膜下出血の術後、2週間以内に起こる可能性がある。無症状の場合もあるが、重大な脳梗塞を引き起こし、最悪死亡する可能性もある。決定的な予防法、及び治療法は未だに見つかっていない。
■「くも漫。」劇場公開情報
2017年2月4より新宿バルト9ほかにてロードショー。
出演:脳みそ夫、柳英里紗、沖ちづる、板橋駿谷、坂田聡、立石涼子、平田満
原作:中川学「くも漫。」(リイド社刊)
監督:小林稔昌
脚本:安部裕之
企画・製作:クリエイティブネクサス
配給:トリプルアップ
・http://kumoman-movie.com/
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2024.10.02 20:00心霊ピンチの中でも俯瞰する“もう1人の冷めた自分”の正体判明! 風俗店でくも膜下出血になった漫画家・中川学インタビューのページです。中川学、くも漫。、探さないでくださいなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで