「LHC実験は幽霊の存在を明らかにするだろう」 英有名物理学者ガチ討議、導き出された最終結論は?
■幽霊と我々の肉体に共通するエネルギー源はない
一方、当該回の番組のゲストであった天体物理学者であるニール・ドグラース・タイソン博士は、コックス教授の話に次のように応じている。
「あなたが今話したことは、つまり、CERNが幽霊の存在を否定しているということですか?」(ニール・ドグラース・タイソン博士)
このタイソン博士の問いに、コックス教授は「イエス」と返答している。
スイス・ジュネーブ郊外に設置されているCERNが建設した世界最大の衝突型円型加速器であるLHCは昨今、ブラックホールを生成させているのではないかという噂も流れ、一部では、地球を崩壊へ導くものであるとして危険視されはじめている。しかし、決してLHCはブラックホールを作ることを目指す装置ではなく、その実験の主な目的のひとつに「新たな素粒子の発見」がある。2011年のLHCの実験では、「ヒッグス粒子」の存在が確認されたとして大きなニュースにもなった。
素粒子物理学の標準モデルは、この世の成り立ちに関する多くのことを説明できるのだが、重力、電磁力、強い力、弱い力という自然界に存在する“4つの力”のうち、重力についての説明が不十分であるとされている(量子論的に扱うことができない)。この問題を解決しようと、科学者たちは新たな素粒子の発見に余念がなく、その一方で最近になって“第5の力”が存在する可能性まで示唆されてきている。
ともあれ、こうした最先端の研究の中には自ずから“心霊現象”の問題も含まれてくるとコックス教授は指摘しているのだ。
「壁をすり抜けたり急に現れたりする(肉体を持たない)幽霊が存在するのであれば、彼らは純度の高いエネルギー体ということになります。熱力学第二法則により、すべての熱量は時間の経過とともに失われていきますが、もし出没した幽霊がずっと辺りをうろつき回ってるとすれば、彼らは常にエネルギーを補給していることになります」(ブライアン・コックス教授)
今のところ、幽霊と我々の肉体に共通するエネルギー源はないので、それゆえ幽霊は存在しないことになるとコックス教授は説明しているのだ。
だが、もし件の“第5の力”が発見され、それが幽霊=エネルギー体の維持に一役買うものであるとすれば、ひょっとすると幽霊の存在が証明されるかもしれない気がするのだが……。ここはやはりLHC実験の進展に期待したいところだ。
(文=仲田しんじ)
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