「8分違いのパラレルワールド」の存在がニセ硬貨事件で証明された!? 異次元トラベラーに直撃取材!

■昭和65年硬貨は、ほかにも発見されていた!

 振り返ること数十年。我々の暮らすこの世界においては、昭和64年1月7日に昭和天皇が崩御召された。そのため、昭和64年はわずか7日で終わり、翌日から平成元年となったのだ。つまり、我々の暮らすこの世界において、昭和65年印の硬貨など存在するはずがないのだ。しかしどうやら、8分違いのパラレルワールドでは昭和天皇の崩御が遅れた結果、昭和が持続し――多数の“昭和65年”硬貨が作られているようである。

 そして、小さなニュースにしかなっていないが、実はこれまでも存在しないはずの“昭和65年”硬貨が複数見つかっている。

 平成17年に発見された昭和65年の500円玉は、我々の暮らすこの世界の500円玉とデザインも材質も同じで、自動販売機も通過する。昭和65年の100円玉は、平成20年と26年にそれぞれ一つずつ発見されており、デザインは同じだが、材質がちがう。こうして発見された昭和65年硬貨は、いずれも“いたずら目的で作られた”偽物ということで処理されている。しかし関係者に言わせれば、使われている物質や鋳造技術を見ても、とても偽物と呼べるような低レベルの代物ではないのだという。

 取材を進めると、さらに興味深いことがわかってきた。我々の世界と8分違いの世界では、双方に建てられた建築物によって、偶然結ばれてしまうことがあるらしい。2つの世界を結んでいる時間軸の裂け目と、デザインされた建物空間が、まるでパズルのピースのようにピタリとはまってしまうと、双方の建物同士で次元を結んでしまうという不思議――。とりわけパティオ(中庭)を持つコンクリート打放しの集合住宅や、複雑に増築された繁華街の建物などが、異世界への扉となっているケースが多いそうだ。取材の過程では、「地下の扉を開けたら別世界にある建物の屋上に出てしまった。その世界では、1時間が52分しかなった」などという体験を話す人とも出くわした。

■8分違いの世界では、誰もがこの話を知っている

 ところで、ここまで述べてきたことは、8分違いのパラレルワールドではすでに社会的に広く認知されているらしく、テレビで注意勧告までなされているらしい。こちらの世界からあちらの世界へ、偶然誰かが紛れ込んでしまった時は、こちらの世界へ帰還させる方針がとられているという。しかしながら、我々の世界において、パラレルワールドの存在はまだ信じられていない。わずか8分しか違わないのに、とても大きな差異といえるだろう。

 今回逮捕された人材派遣会社の男は、8分違いのパラレルワールドからの来訪者、あるいは帰還者なのだろうか――。ある日、手元に昭和65年の硬貨を発見してしまったら、それは8分違いのパラレルワールドから紛れ込んできた硬貨である可能性が高い。大切にしてほしい。
(文=大江戸猫)

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